バウアー争奪戦はメッツとエンゼルスの一騎打ちか

「ジ・アスレチック」のジム・ボウデンは日本時間12月14日、「MLBネットワーク」のラジオ番組に出演し、サイ・ヤング賞右腕トレバー・バウアーの移籍先について自身の見解を述べた。ボウデンは球界の関係者から情報を得るなかで「バウアーはメッツかエンゼルスに行く」と考えているという。また、メッツよりも先発投手補強のニーズが大きいエンゼルスのほうが積極的にバウアー獲得を狙う可能性が高く、ボウデンはエンゼルスを「本命」に挙げている。

エンゼルスは昨オフ、バウアーの大学時代のチームメイトであるゲリット・コール(ヤンキース)の獲得に動いていた。現地の報道によると、エンゼルスは総額3億ドルにわずかに届かない規模の8年契約をオファーしていたようだが、コールは9年3億2400万ドルという投手史上最高額でヤンキースと契約。エンゼルスはエース獲得に失敗し、強打者アンソニー・レンドンと契約した。

今季は新加入のディラン・バンディが活躍したものの、先発投手不足の状況は続いており、念願の絶対的エースとしてバウアーはエンゼルスのチーム事情にフィットする存在だ。2021年シーズン限りでアルバート・プーホルス、2022年シーズン限りでジャスティン・アップトンとの大型契約が終了するため、バウアーと長期契約を結ぶうえで資金面の心配もない。バウアーを満足させるだけのオファーを提示することは十分に可能だろう。

一方のメッツには、昨季まで2年連続でサイ・ヤング賞を受賞したジェイコブ・デグロムという絶対的エースがいる。今季全休のマーカス・ストローマンがクオリファイング・オファーを受諾して残留し、新人ながら6勝2敗、防御率3.44の好成績を残したデービッド・ピーターソン、今季は大不振だったものの2019年に11勝を挙げたスティーブン・マッツのほか、今年3月にトミー・ジョン手術を受けたノア・シンダーガードも来季途中で復帰できる見込みであり、エンゼルスに比べると絶対的エース獲得の優先度は低い。

メッツはここ数年、正中堅手不在が大きな課題となっており、ジョージ・スプリンガーの獲得を優先するのではないかと見られている。

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