新型コロナウイルス感染症の影響に苦しむ市内中小・小規模店舗を支えるため川崎市が販売したプレミアム付き商品券「川崎じもと応援券」が、インターネットオークションに出品されたことが14日、分かった。購入者が把握できない仕組みを採用したため不正購入や換金への懸念もあり、市は大口利用店舗への聞き取りなどを進めるという。
市議会第6回定例会本会議で、押本吉司氏(みらい)の一般質問に答えた。
市がオークションサイトで出品を確認したのは、10件・17冊の計22万1千円相当。応援券は第三者との交換や売買、現金引き換えはできないと定めており、サイト運営業者に出品禁止や削除を要請したという。
応援券は1冊1万円で、1万3千円分の商品券がつづられている。87万冊の発行に対し、事前申込制を採用した1、2次販売は計36万4千冊にとどまったが、身分確認を要さない直接販売に切り替え、購入上限も撤廃した3次販売は短期間でほぼ完売。同時に利用が大きく伸びた店舗が幅広い業種であったという。
押本氏が大量購入後の換金など組織的不正への懸念をただすと、中川耕二経済労働局長は「券の番号から換金申請された券の販売窓口はおおむね分かる」と指摘。その上で、「事業効果を検証する上でも、利用が大きく伸びる店舗にどう取り組んだかヒアリングする。不正が分かれば適正に対応する」と述べた。
押本氏は「3次販売の上限撤廃で、市民から『バナナのたたき売り』状態となったため『お金にゆとりのある方々に偏る制度設計となった』との指摘も存在する」とし、販売手法や情報の周知などの検証を求めた。