どうなる梶谷&井納の“FAコンビ”の起用法? 巨人・原監督が明かした来季構想

巨人の入団会見に臨んだ井納翔一(左)と梶谷隆幸【写真・編集部】

2021年オーダーの一部を“披露”、梶谷、坂本の“同級生”1・2番実現へ

国内フリーエージェント(FA)権を行使し、DeNAから巨人に移籍する梶谷隆幸外野手と井納翔一投手が14日、東京ドーム内で入団会見を行った。梶谷は4年契約総額8億円、井納は2年契約で総額2億円で合意(金額は推定)。同席した原辰徳監督は「2人の役割は当然、即戦力。巨人に足りない、彼らの力を必要としたという部分で入団して頂いた」と期待を寄せた。会見では2人の起用法についても言及した。

今季の梶谷は1番打者としてチームを牽引し、打率は.323とリーグ2位。19本塁打、53打点をマークした。今年の巨人は1番打者として期待された吉川尚輝内野手はシーズンを通じてはその席を守ることはできなかったため、梶谷にはその役割を担うことになりそうだ。

指揮官は「巨人は1番、5番……非常にここ数年、苦労をしています。十分、1番、3番、5番を任せられる選手が入ってきた」と梶谷の万能性に期待を寄せる。続けて「私の理想は1番・梶谷、2番・坂本、3番・丸、4番・岡本。ここまでは強いパーツが1人加わったという意味では、心強く思ってます」と来季のオーダーを描いて見せた。

左、右、左、右と並べば、相手先発の左右にかかわらず、不動のオーダーを組むことができる。5番以降は亀井、大城の左打者、中島、ウィーラーら右打者の中軸を据えることで色々なバリエーションが組める。下位に吉川、松原といった日本シリーズで1・2番を任された若い機動力のある選手をおけば、作戦も立てやすく、繋がりも生まれてくる。2021年の理想オーダーの一部が見えてきた。

菅野がメジャー移籍となれば先発陣は手薄に…150イニングを期待

井納についてはもちろん、先発ローテーションを期待。原監督は「中5日、中6日、時には中4日で回ってもらいたい。150、200イニング近く投げてもらうことを考えております」と説明した。菅野はメジャー移籍を目指し、ポスティングシステムを申請している。退団となれば先発陣は手薄になる。井納は来季2年目を迎えるサンチェス、戸郷、今村、高橋、畠、桜井、田口といった争いに勝ったメンバーで先発ローテを構成していくことになる。

また、指揮官が「若い投手がジャイアンツには多いので、いい影響を与えてもらいたい」と話せば、井納も「まずは自分のことで精一杯になってしまうと思うんですが、1日でも早くアドバイスを……逆にもらうこともあるかもしれないですが、ベイスターズで8年間を経験させてもらったので、そういう部分で若い子に少しでもそういう(助言する)ことができたらと思います」とコメント。ローテで回ることはもちろん、今季初登板を果たした横川や1軍未登板の太田など潜在能力の高い若手投手へ、背中で見せる投球も期待される。

ただ、巨人は実力主義。FA戦士といえども特別扱いはない。結果が出なければ、容赦無く、2軍調整が命じられる。原監督は「少々、鼻が伸びているなという時は、ポキっとする時もある」としながらも、厳しく、愛を持って接していく構えだ。2人の加入で、弱気になるような現有戦力も要らない。足りない部分を補い、若手に刺激を与えながら、チーム力を上げていく。FA戦士加入による、相乗効果を期待したい。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

© 株式会社Creative2