ジャイアンツがバウアー争奪戦に名乗り 補強資金に余裕あり

「サンフランシスコ・クロニクル」のジョン・シェイによると、ジャイアンツが今オフに交渉を行っているFA選手のなかにトレバー・バウアーが含まれているようだ。シェイはジャイアンツが毎年、トップクラスのFA選手と交渉の場を設けていることを指摘。よって、ジャイアンツがどれくらい真剣にバウアーの獲得を検討しているかは不透明だ。シェイはさらに、ジャイアンツが現在抱えている高額契約のうち5つが来季限りで終了するため、バウアーを獲得する余裕があることも伝えている。

ジャイアンツは今オフ、ケビン・ゴーズマンがクオリファイング・オファーを受諾して1年1890万ドルで残留したため、来季の先発ローテーションのうちゴーズマンとジョニー・クエイトの2枠は確定。残り3枠は今季13試合(うち11先発)で4勝のタイラー・アンダーソン、同じく13試合(うち11先発)で3勝のローガン・ウェブ、メジャーデビューした2018年に7勝を挙げたアンドリュー・スアレスらが候補となるものの、補強が必要な状況であることは間違いない。そこで獲得候補として浮上するのがバウアーだ。

ジャイアンツはジェフ・サマージャとの5年9000万ドルの大型契約が今季で終了し、1年契約のゴーズマンのほか、ブランドン・ベルトの5年7280万ドル、ブランドン・クロフォードの6年7500万ドルの契約が来季で終了する。また、クエイトとバスター・ポージーは2022年の契約が球団オプションとなっているため、バイアウトを支払って契約を破棄することが可能。これによりジャイアンツは2021年シーズン終了後に1億ドル近いペイロールを削減できる。

よって、資金的にはバウアーを獲得する余裕は十分にある。問題はファーハン・ザイディ編成本部長が現在のチーム状況をどのように判断するかということだ。ジャイアンツは3度のワールドシリーズ制覇を成し遂げた2010年代前半の黄金期を経て、現在は次なる黄金期に向けての過渡期にある。まだ次代の核となるような若手選手は台頭しておらず、完全なる勝負モードに切り替わるまでにもう少し時間がかかるだろう。このタイミングでバウアーに大金を投じるのは適切なのか。そのあたりをザイディがどう判断するかがポイントとなりそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.