YE DIGITALと西鉄エム・テック、スマートバス停を販売開始

株式会社YE DIGITALと西鉄エム・テック株式会社は、無給電バス停のスマート化を実現する「オフグリッド対応」スマートバス停の二機種を製品化し、12月から販売開始した。

国内に50万基以上あると言われる路線バスのバス停のうち、約80%には電源供給がされていない(YE DIGITAL 調べ)。バス停時刻表の張り替え業務を軽減するためには、これらの無給電バス停のスマート化対応が必須だ。YE DIGITALと西鉄エム・テックはオフグリッド対応ラインアップを揃え、バス事業者の課題解決・DX推進につながるスマートバス停の取り組みを加速させる。

今回製品化されたのは郊外モデル(Type-C)と楽々モデル(Type-D)の二機種。

郊外モデルは太陽光発電であるため電源供給が不要。バッテリーを搭載しているので、長時間の日照がなくても稼働できる。シャープ製31.5インチの反射型LCD

を採用し、省電力でありながら日差しの中でも高い視認性を実現した。また、反射型LCDにバックライトを組み合わせることで、夜間帯の視認性も確保している。

※1 Liquid Crystal Display(液晶ディスプレイ)

楽々モデルは乾電池駆動により、さまざまな気象条件下(日の当たらないバス停含む)でも電源供給が不要。さらに13.3インチ電子ペーパー採用により省エネと視認性の両立を実現している。また、既存ポールや壁面に専用金具で取り付けるのみで、大がかりな取り付け工事は不要。両社の発表によると、作業時間は約30分程度だという。

左:郊外モデル、右:楽々モデル

またYE DIGITAL と西鉄エム・テックは、スマートバス停のType-Cのシャープ製反射型LCD採用、Type-Dの電子ペーパー採用について、2つの特許を共同取得している。

YE DIGITAL と西鉄グループは2017 年から「スマートバス停」の取り組みを進めてきた。しかし、バス停のスマート化にはある程度の電力使用量が必要で、商用電源供給を受けている繁華街や主要幹線道路沿いのバス停にしか設置できないという課題もあった。

上記の課題を解決させ、シャープ子会社であるシャープディスプレイテクノロジーから低消費電力のバックライト機能付きの反射型LCDを提供を受けた。加えて、シャープマーケティングジャパンとの共同開発により、今回の商品化を実現させた。

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