株式会社フライヤーが2020年に最も読まれた実用書要約文のランキングを発表

フライヤーが発表した、2020年最も読まれた実用書

実用書・ビジネス書の要約文を配信する株式会社フライヤーは16日、同社が要約文を掲載している約2300冊の中で最も読まれた「2020年のトップ10」を発表した。2020年はコロナ禍の中で、不安や戸惑いを打ち消し前向きに生きるためのノウハウについての書籍が多く読まれたという。

フライヤーは2013年に創立したITベンチャー企業。新刊実用書やビジネス書を中心に、10分程度で読了可能な4000字ほどの要約を毎日1冊のペースで配信し、現在は計2300冊超を掲載している。書き手の主観が入る書評とは異なり、著者の主張や論点を忠実にまとめる要約であることが特徴で、通勤や休憩時といったスキマ時間を有効活用し、効率よくビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンが主な利用者となっている。

フライヤーが16日に発表した、「2020年最も読まれたビジネス書ランキング トップ10」は以下の通り。(書籍名/著者・訳者/出版社)

1位 『人は話し方が9割』 /永松茂久 /すばる舎
2位 『「仕事ができる」とはどういうことか?』 /楠木建、山口周 /宝島社
3位 『「朝1時間」ですべてが変わるモーニングルーティン』 /池田 千恵 /日本実業出版社
4位 『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』 /井上皓史 /小学館
5位 『学びを結果に変える アウトプット大全』 /樺沢紫苑 /サンクチュアリ出版
6位 『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』 /堀内都喜子 /ポプラ社
7位 『できるリーダーは、「これ」しかやらない』 /伊庭正康 /PHP研究所
8位 『FACTFULNESS』 /ハンス・ロスリング(著)、オーラ・ロスリング(著)、
アンナ・ロスリング・ロンランド(著)、上杉周作(訳)、関美和(訳) /日経BP
9位 『交渉力』 /橋下徹 /PHP研究所
10位 『驚異の「紙1枚!」プレゼン』 /浅田すぐる /日本実業出版社

1位になった『人は話し方が9割』 /永松茂久 /すばる舎

フライヤーの分析によると、今年のビジネス書を表すキーワードは「ポジティブシンキング」。読者が新型コロナウイルスによる不安や戸惑いを打ち消し、前向きに生きていくためのノウハウを求めていることが分かるという。ニューノーマルな働き方や生き方への半強制的な転換で悩みが尽きないなか、少しでもポジティブな思考に切り替え、自分らしい生活を送るという価値観が高まっているようだ。

ランキング1位の『人は話し方が9割』は、他人との円滑なコミュニケーションの取り方を説いた実用書。話し方のコツや、自己肯定感と会話への苦手意識の関係について解説している。新型コロナウイルスの感染拡大で社会が大きく揺るがされ、働き方でもオンライン会議やリモートワークが増えた今年において、これまで以上に「話し方」に注目したビジネスパーソンから支持を集めたようだ。本書はフライヤーの上半期ランキングでも1位を獲得しており、年間を通じて注目度の高い一冊となった。

また、フライヤーサイト内で2020年に最も多かった検索ワードは、「育成」と「思考」だった。フライヤー編集部はこの結果を、「新型コロナウイルスによって、ニューノーマルな働き方、生き方への対応が求められ、自分自身の考え方を整理したり、人材育成などにおいても新しい取り組みが必要になったからでは」と分析する。急激な社会の変化に遅れを取らないよう、現代のビジネスパーソンは、幅広い思考力やスキルアップを身につけることへの意欲が高まっているようだ。

要約文の立ち読み イメージ図

今回の発表を機にフライヤーは、イオングループの株式会社未来屋書店全101店と共同し、人気トップ10の書籍を対象とした書店フェアも開催する。期間は2021年1月10日から3月9日まで。フェアでは各店に専用棚を特設、本に付けられたポップのQRコードを来店者がスマホで読み取ると、4000字程度にまとめた各書籍の要約文を無料で「立ち読み」することができる。本の大筋をつかみ、来店者の興味を引くことで、購入意欲を高める狙いがあるという。

【関連サイト】
株式会社フライヤー webサイト

© にいがた経済新聞