人的補償選手は新天地で活躍? 19年オフ移籍の2投手は奮闘、今季限りで引退も

ロッテ・小野郁(左)と楽天・酒居知史【写真:荒川祐史】

梶谷の巨人移籍でDeNAは金銭補償か人的補償+金銭補償を要求できる

DeNAから国内フリーエージェント権を行使して巨人に移籍した梶谷隆幸外野手。年俸順位がBランク(4~10位)とみられ、DeNAは巨人に対して金銭補償(年俸の60%)か、人的補償+金銭補償(年俸の40%)を要求できることになる。FA移籍の影響を受ける形となる人的補償の選手だが、新天地で活躍したケースも少なくない。主な選手の今季を振り返る。

○酒居知史(楽天)
2019年オフに美馬学のロッテ移籍に伴って加入。初めて楽天に人的補償で移籍した選手となった。今季は中継ぎとして43試合に登板して3勝2敗12ホールド、防御率3.65をマーク。2019年にキャリアハイの54試合に登板した右腕は、新天地でもブルペンを支えた。

○小野郁(ロッテ)
2019年オフに鈴木大地が楽天に移籍した人的補償として加入。プロ6年目の今季は、自己最多の40試合に登板。2勝2敗4ホールド、防御率3.23をマークし、チームのクライマックスシリーズ進出に貢献した。

○尾仲祐哉(阪神)
2016年ドラフト6位で広島経済大からDeNAに入団。2017年に11試合に登板したが、その年のオフに大和の人的補償で阪神へ。ルーキーイヤーのオフに移籍となった。昨季は5試合登板にとどまり、今季も4試合登板で0勝0敗、防御率6.23だった。

○金田和之(オリックス)
2012年ドラフト5位で大阪学院大から阪神入団。阪神では3シーズンで通算56試合登板、7勝1敗、防御率4.27の成績を残した。2016年オフに糸井嘉男の人的補償としてオリックスに移籍。移籍1年目の2017年には45試合に登板して4勝1敗、防御率4.15と中継ぎとして活躍した。しかし昨季、今季といずれも6試合登板にとどまった。

広島・一岡竜司【写真:荒川祐史】

巨人から16年オフにDeNAに移籍した平良は今季序盤に防御率トップも

○平良拳太郎(DeNA)
2015年にドラフト5位で沖縄・北山高から巨人に入団。2016年オフに山口俊の巨人移籍に伴い、人的補償でDeNAへ。移籍1年目の2017年に初登板初先発し、プロ初勝利をマークした。移籍4年目の今季は14試合に登板。シーズン序盤では防御率でリーグトップにも立った。故障離脱はいたかったものの4勝6敗、防御率2.27の成績を残した。

○奥村展征(ヤクルト)
2013年ドラフト4位で日大山形高から巨人入団。長打力のある内野手として期待されたが、2014年オフに相川亮二の巨人移籍により、NPB史上最短(プロ2年目)、最年少(19歳)でヤクルト移籍となった。今季は1軍出場なしに終わった。

○藤岡好明(DeNA)
宮崎日大高、JR九州を経て、2005年の大学生・社会人ドラフト3位でソフトバンクへ。鶴岡慎也のソフトバンク移籍に伴い、人的補償として2014年に日本ハムへ移籍した。日本ハムの3年間ではわずか16試合登板に終わり、2016年途中にトレードでDeNAへ移籍。今季は4試合登板にとどまり、現役を引退した。

○一岡竜司(広島)
2011年ドラフト3位で沖データコンピュータ教育学院から巨人に入団。大竹寛の巨人移籍に伴い、2年目の2013年オフに広島へ移籍。移籍1年目の2014年から中継ぎ陣の一角として活躍し、2016年からのリーグ3連覇に貢献した。今季は移籍後最少となる19試合登板で0勝1敗、防御率6.23に終わった。

○高濱卓也(ロッテ)
2007年の高校生ドラフト1位で横浜高から阪神へ入団。小林宏之の阪神移籍に伴い、4年目の2011年からロッテへ。1年目に1軍デビューを果たしたものの、その後も定位置獲得とはならず。2016年に自己最多の53試合に出場したものの、腰痛が悪化した影響で2019年は8試合出場。今季から育成となり、来季も育成で再契約の見通し。(Full-Count編集部)

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