去り行くクビアトにアルファタウリ&ホンダF1が感謝のコメント

 アルファタウリ・ホンダは、2021年のピエール・ガスリーのチームメイトとして、角田裕毅を起用することを発表した。これにより今年レギュラードライバーを務めたダニール・クビアトはチームを離脱することが確定した。

 レッドブルジュニアドライバーだったクビアトは、2014年トロロッソ(現アルファタウリ)からF1にデビュー、翌年にはレッドブルに昇格、このシーズンのうちに表彰台を獲得した。しかし翌2016年第5戦からマックス・フェルスタッペンと交代する形でトロロッソに戻され、2017年シーズン終了を待たずにシートを失った。2018年にはフェラーリの開発ドライバーを務めたクビアトにレッドブルは再度声をかけ、2019年にトロロッソに復帰。同年ドイツGPでは3位表彰台を獲得した。

 しかし2020年にはチームメイトのピエール・ガスリーほどの成績を残せず、ガスリーが75点を獲得したのに対し、クビアトは32点にとどまっている。

 角田との契約発表をした後、アルファタウリはクビアトのチーム離脱を明らかにし、フランツ・トスト代表が彼の貢献を称えた。

「裕毅が来年我々のもとで走ることになったため、ダニールにお別れを言わなければならない。チームにたくさんのエネルギーを注いでくれたことに心から感謝する。特に今年はマシンのパフォーマンスを確立し改善するうえで、彼の経験が大いに助けになった」

2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGP 4位獲得のダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)をフランツ・トスト代表が祝福

 ホンダ(Honda Racing F1)もクビアトへの感謝を示した。

「ホンダの全メンバーがあなたに感謝しています。協力し合って、夢にすぎないと思われたことを達成しました。あなたが私たちファミリーの一員だったこと、私たちの歴史に加わってくれたことは、大きな喜びでした」
「Rock on, DK(DK、最高)」

 チームが角田との契約を発表した日、クビアト自身は公式にはコメントしていない。クビアトは2021年のF1シートを獲得するのは不可能であるため、2018年と同様に、どこかのチームのリザーブドライバーあるいは開発・シミュレータードライバーとして契約する道を探っているといわれる。

 Formula1.comのライター、ローレンス・バレットによると、クビアトは2022年に復帰したいという強い意志を持っており、レースシート探しに動く見込みだという。

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