核禁条約締約国会議 来年12月 ウィーン開催の見通し

画面越しに中満事務次長と意見交換する高校生平和大使=長崎市大黒町、平和活動支援センター

 国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長は16日、核兵器禁止条約の発効後1年以内に開かれる第1回締約国会議について、来年12月にオーストリアのウィーンでの開催を検討していることを明らかにした。高校生平和大使に就任した県内外の高校生らとのオンライン意見交換会で示した。
 核兵器の開発から使用までを全面的に禁じた同条約は批准国・地域が50に達し、来年1月22日の発効が決定。締約国会議は締約国や非政府組織(NGO)などが参加し、核兵器削減の検証方法など条約の具体策を検討する。第1回以降は2年おきに開催していく。
 国内外で核廃絶を訴える平和大使を選考、派遣している市民団体が主催したオンライン意見交換会には、第23代となる今期の平和大使28人のうち、26人が参加。中満氏はオーストリアが開催地に名乗りを上げていた経緯を説明し、「おそらく、オーストリアが最初の締約国会議の場になる」と話した。
 高校生らは締約国会議の方向性などを質問。中満氏は締約国のほとんどが島国などの小国のため、会議を運営する資金面の課題があると指摘した。また、被爆国の日本政府が同条約に反対していることに関し、日本が批准するためには、米国の「核の傘」以外の新たな安全保障体制を考える必要があると述べた。

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