山本昌、岩瀬、福留、山井…「現役最年長」が多い中日、大ベテラン在籍の“影響”とは

中日への復帰が決まった福留孝介【写真:荒川祐史】

14年ぶり古巣復帰の福留が現役最年長の見通し、投手では山井が最年長

中日に来季14年ぶりに戻ってくることが決まった福留孝介外野手。今季に続き、現役最年長としてチームを支えることになりそうだ。中日では山井大介投手も現役を続行し、“投打”で最年長者が在籍することに。近年を振り返ってみても40歳以上が多くプレーしてきた中日。大ベテランがもたらす影響とは――。

福留は今季43試合出場で1本塁打、12打点、打率.154にとどまり、8年間在籍した阪神を退団。44歳を迎える来季は、プロ入りからメジャー挑戦まで9年間過ごした名古屋に戻ってくることになった。福留の1歳下になる山井は今季6試合登板で未勝利に終わったが、現役続行の道を選んだ。

中日と現役最年長は、この10年を見ても縁が深い。2011年シーズンに山本昌が46歳で最年長となると、50歳になる2015年まで現役を続けた。その年は谷繁元信が45歳、和田一浩が43歳、小笠原道大が42歳、岩瀬仁紀が41歳と“オーバー40”が多くチームに在籍。さらに2017年からは岩瀬が現役最年長となり、44歳となった2018年限りで引退した。

中日・山井大介【写真:荒川祐史】

大ベテランがいるゆえの“甘さ”も…「頼ってしまった面」

大ベテランが多く在籍した時代、当時の球団幹部は「数字だけでは測れない好影響をチームに与えてくれる」と説明したことも。2011年限りで落合博満氏が監督を退任し、2013年からはBクラスに転落。世代交代に直面した中での低迷期だっただけに、球史を彩ってきた名選手たちに託された役割もあった。

その一方で、ベテラン選手がいるゆえの“甘さ”を指摘する声もある。数年前まで現役だったOBのひとりは「本来なら若手が中心になってベンチの雰囲気作りをしていかないといけなかったんでしょうが、どうしてもベテランの方々のことを気にしながら頼ってしまっていた面もある」とも。その存在感は抜群なだけに、効果的な“還元”が必要になってくる。

やはり一番は、1軍の試合で結果とともに背中で示すこと。別のOBは「ベテランがずっと2軍戦に出続けていては意味がない。それでは若手のチャンスを奪ってしまうことにもつながる」と指摘する。言うまでもなく、福留と山井に最も期待されるのは1軍での勝利への貢献。低迷脱出の兆しがみえたチームが「強竜」へと昇華していくためのカンフル剤となれるかが注目だ。(Full-Count編集部)

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