実は育休中も働ける!? 「半育休」のススメ

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。11月23日(月・祝)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、株式会社キャスター取締役COOの石倉秀明さんが“半育休”について述べました。

◆育休中はいくらもらえる? 意外と知らない給付金

男性の家事・育児参加を促すため、厚生労働省は労働政策審議会で産後8週間は男性が育休取得しやすいように申請期限を短縮するなど、一時就労を可能とする仕組みを提案。また、個人に取得の働きかけや意向確認を行うなど制度の周知を企業に義務化する案も示しています。

男性の育休取得が増えない理由としては、「仕事の代わりがいない」、「職場の雰囲気が取りづらい」、「(取得することで)キャリアが終わってしまうかもしれないという不安」など数多くあるなか、「育休を取りたいけど休むと生活が苦しい、お金の心配をする人も多いと思う」と石倉さん。しかし、現行の制度内でも実はお金をやりくりできる方法があり、石倉さんの会社の社員もそれを実践していると言います。

育休中の支援に関しては、期間中は雇用保険から給付金が支払われ、休む前の賃金を100%とするとおおよそ半年間は67%で、それ以降も50%。ただし上限があり、最大456,300円。ですが、育休中は社会保険や所得税が免除され、「手取りで比較すると80%程度。半年以降も55%ぐらいもらえる」と説明。

もし夫婦2人で育休を取るとなると双方67%となるため、例えば男性の年収が1,000万円、女性が150万円という夫婦の場合、男性が育休を取ってしまうと家計が苦しくなる可能性も。

◆収入面以外にもメリットがある半育休のススメ

ただ、実は育休中も働くことはできるそうで、石倉さんは「原則として育休は休みなので定期的に働くことはできないが、現行のルール内でも月に10日以内、もしくは10日を超えても月に80時間以内であれば育児休業支援金をもらいながら働くことができる」と明言。現状、働いた時間の収入と給付金の総額が通常賃金の80%までであればオーケーで、万が一80%を超えてしまった場合は給付金が減るものの、働いた分の収入自体は増やすことができます。

とはいえ、原則としては休みのため「月80時間といっても、毎日4時間など定期的な就業はダメだけど、空いている時間を使ったり、夫婦交代でお互いに任せられるところを交互に働いたりすることで、夫婦で(通常賃金の)80%くらいまで上げられる」とポイントを解説。石倉さんは「実は日本の育休制度はすごく充実している」と言いつつ、「ただ、働く人も経営者も知らない」と現実を吐露。

石倉さんが推奨する「半育休」は、こういったさまざまな制度を使って収入減による生活不安を解消する以外にも、定期的ではないにしろ働くことで「キャリアの断絶や社会から1年間離れてしまう心配がなくなるし、社会復帰がしやすい」とメリットを挙げます。

前述の通り、男性も妻の産後8週間の育休が取得できる流れにありますが、もっと長く育休を取りたいとなったときのためにも、石倉さんは"半育休”が便利とアピール。一方で育休を必要としない人は減らせばいいだけに、「(育休を)長く取るということが男性を含めできるといいし、女性も働きながら育休を取ることができるので、ぜひ活用していただけたら」とおすすめします。

税理士の中島加誉子さんは、会社として育休制度を用意しているところは多いものの、「まだまだ直属の上司の意識が変わらないと(育休も)取りにくい部分がある」と指摘。メリットの多い半育休を双方がきちんと知ることによって、「(取得する側も)収入面がそれほど減少しないということがわかれば、"育休を取ろうかな”と思う人も増えて、それを上司がオーケーすることで、もっと普及していくのかなと思う」と職場環境の改善を期待していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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