ニグロリーグの公式記録認定で歴代最高打率が更新?

日本時間12月17日、1920~48年のあいだに運営されていたニグロリーグの7つのリーグがメジャーリーグとして認定されることが発表され、記録の扱いに大きな注目が集まっている。たとえば、黒人初のメジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンは1945年にニグロリーグで26試合に出場して38安打、打率.384をマークしており、これが通算成績に加えられる可能性がある。ニグロリーグが公式記録に追加されることにより、メジャーリーグの歴代記録が大きく変わる可能性もあるのだ。

データサイト「Seamheads」の集計によると、伝説の強打者ジョシュ・ギブソンは1943年にレギュラーシーズン69試合に出場して打率.466をマークしている。これは1894年にヒュー・ダフィーが記録した.440を上回る歴代最高打率となる。また、アーティー・ウィルソンは1948年に打率.437をマークしており、1941年のテッド・ウィリアムスに代わる「最後の4割打者」となるかもしれない。

また、ギブソンはニグロリーグで通算打率.361を記録。これはロジャース・ホーンスビーの.358やシューレス・ジョー・ジャクソンの.356を上回っており、タイ・カッブの.367に次ぐ歴代2位の数字となる。まだ記録の扱いについては不透明な部分も多いが、ニグロリーグの伝説の強打者が次々にメジャーリーグの歴代記録ランキングの上位に名を連ねる可能性があるというわけだ。

さらに「NoNoHitters.com」を運営するダーク・ラマーズによると、ニグロリーグではノーヒッターが24回達成されたことが知られているという。なかには開幕戦やニグロ・ワールドシリーズで達成されたものもあり、これらもメジャーリーグの歴史に加わる可能性がある。また、この24回以外では、1937年にニグロ・ナショナル・リーグのオールスター・ゲームでジョニー・テイラーが達成したノーヒッターがあり、史上唯一のオールスター・ゲームでのノーヒッターとして認定されるかもしれない。

メジャーリーグでプレーする以前にニグロリーグでプレーした選手の通算成績が変更されるケースも続出するだろう。たとえば、ウィリー・メイズは1948年にニグロリーグで10安打を記録しており、従来のメジャー初安打がメジャー11本目の安打に変更される可能性がある。「5ディケード・プレーヤー」として知られるミニー・ミニョソは通算1963安打で引退しているが、ニグロリーグの3年間で154安打を記録。これを加えると2000安打を超えるため、今後の殿堂入り選考に影響を与える可能性もある。

今のところ、まだ記録の扱いは確定していないため、これらはあくまでも可能性の話に過ぎない。しかし、ひとたび記録の扱いが確定すれば、世界中の野球ファンを巻き込んだ大騒動となることは間違いなさそうだ。

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