ペレス「チームには明るい未来が待っている。それが僕には何よりのご褒美」/ドライバーからチームへ惜別のメッセージ(1)

 2020年F1第17戦アブダビGPは、何人かのドライバーにとって現在所属するチームでの最後のレースとなった。レース後の彼らのコメントから、チームへの惜別のメッセージを紹介する。

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■セルジオ・ペレス(レーシングポイント)

2011年〜2012年 ザウバー
2013年 マクラーレン
2014年〜2020年 フォース・インディア→レーシングポイント
2021年 未定

「(アブダビGP決勝では)パワーユニットの交換によりグリッドペナルティを科せられて、19番手からのスタートとなったけど、スタート前はいいレースができるだろうとかなり期待していた。チームの歴史に新たな1ページを刻もうとね。でも、またMGU-Kに問題が起きた。本当に残念としか言いようがない。信頼性さえあれば、僕たちはもっと良い成績が残せていたからね」

「リタイアした後、ガレージに帰ったら、何人かのスタッフが泣いていた。僕も心が締め付けられたけど、僕は泣いていたスタッフに言ったんだ。『1週間前に自分たちが成し遂げたことを決して忘れるな』って」

「でも、僕はいま誇りを持って、このチームを去る。(マクラーレンで2013年限りでシートを失ったとき)僕に救いの手を差し伸べてくれたのが、このチームだった。そして、その数年後に今度は僕がこのチームを救った。それによって多くのスタッフが仕事を続けられたこと、そしていまチームは明るい未来が待っている。それが僕にとっては何よりのご褒美だ」

「シーズンが終わったばかりなので、いまは2021年シーズンのことは考えていない。いまはとにかくできるだけ家でのんびり、そして家族と楽しく過ごそうとだけ考えている。来シーズンのことはそれから考えるよ」

2020年F1第17戦アブダビGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
2020年F1第17戦アブダビGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
2020年F1第16戦サクヒールGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
2020年F1第16戦サクヒールGP F1初優勝を飾ったセルジオ・ペレスをレーシングポイントのクルーが祝福。その奥ではアルファロメオのクルーも『PER』と書かれたボードを掲げている
2020年F1第16戦サクヒールGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)

■「転換期を乗り越え、軌道に乗ったのを見届けることができてよかった」

■ダニエル・リカルド(ルノー)

2011年 HRT
2012年〜2013年 トロロッソ
2014年〜2018年 レッドブル
2019年〜2020年 ルノー
2021年〜 マクラーレン

「間違いなく、ルノーでの最後のレースにふさわしい内容のあるレースだった。アブダビGPはみんなも知っているように、戦略的に限られた戦いになるため、僕たちはスタートでハードタイヤを装着してロングランすることにした。そして、その戦略をしっかりとやり遂げ、オーバーテイクが難しいこのコースで11番手からスタートして7位でフィニッシュできたことには満足している。もしレース序盤にセーフティーカーが導入されていなければ、もっとマクラーレンにプレッシャーを与えることができ、いいレースを披露できていたと思う」

「最後にファステストラップを獲った。本当はラスト2周でアタックしたんだけど、最終コーナーで少しはみ出してしまって、うまく行かなかった。それでファイナルラップにもう一度、アタックしたんだ。なんとか最後にファステストラップをルノーにプレゼントできて良かった。ルノーでの最後のラップに、ルノーで初めて獲得したファステストラップとなったからね」

「今年はコロナ禍でシーズンが変則的なスケジュールで開催されたけど、そのなかで僕たちは1年間、よく戦ったと思う。僕もドライバーズ選手権で5位に入ることができた。別にそれで何か賞を得ることはできないけれど、それはチームが確実に転換期を乗り越え、軌道に乗ったことを示している。それを見届けることができてうれしいよ」

2020年F1第17戦アブダビGP ダニエル・リカルド(ルノー)
2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGP ダニエル・リカルド(ルノー)が3位を獲得
2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)とダニエル・リカルド(ルノー)が“シューイ”
2020年F1第11戦アイフェルGP ダニエル・リカルド(ルノー)
2020年F1第11戦アイフェルGP ダニエル・リカルド(ルノー)

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