多くの成功と、それ以上の失敗から学んだ経験則には計り知れない価値がある。今回の語り部は一切表情を動かさず、ただ黙々とでかバスを釣り上げ続けることから「ロボ」の異名を取る奥田学さん。サイズを狙い始めてから釣果が伸びない、どうにも釣れない…そんな悩める読者たちへ贈る、ハンターたちの宝物。心して受け止めていただきたい。
語り部は奥田学さん
【Profile】
奥田学(おくだ・まなぶ)
90年代から琵琶湖北湖のでかバスフィッシングガイドの先駆けとして知られる。黙々とクールに50アップを抜き続ける様から「ロボ奥田」の異名をとる。シグナルを立ち上げ、ブラックデュラゴンやリザードクローラーなどの名作を世に送り出した。
でかバスは「A級ポイント」に必ず来る
確実に踏まえないとダメなのは、でかバスがいる場所だよね。そのいる場所っていうのはしょっちゅう釣りにいくホームレイクならわかるけど、初めていく場所ではわからないよね。
そういうところは、とりあえず、大場所をやる。自分なりの肌感覚で、大きなポイント。橋脚など大きなマンメイドがあるようなところとかね。
釣れてない人って一概に、初場所だったり知識不足だったりで例年のバスの動きが分かっていないことが多いんだけど、でも分からないなりにでかバスに接近できるのはいわゆるA級ポイント。これも大場所ね。そういう場所には必ずいいバスがやってくるタイミングがあるから、それを踏まえて狙ってみる。
例えば、リザーバーだったらアフタースポーンからのバックウォーターっていうのは鉄板的にデカいバスが集まるエリアだし、そういう季節ごとの場所をまずは把握すること。
そこまで行き着いたにもかかわらず、でかバスがいるけど釣れない、というのは場所には到達しているので、あとは絶対的にタイミングを変えたほうがいい。
でかバス攻略の順序は「場所選び>タイミング>ルアー&テクニック」
タイミングっていうのは、具体的に言うと自然環境が変わる瞬間のことね。1日のなかで何度か時合いが存在しているから2時間置きに入り直すとか、そういった作業が、でかバスに近づく。
ルアーがどうこうというのはそのあとの話。ビッグベイトを投げれば食うかというと、食うときもあれば食わないときもある。流れが発生したら食い始めたりもするし…。
だからルアーやテクニックよりも重要なのはタイミング。そういう意識を持ってフィールドをサーチしていかないとでかバスを釣るところにはたどり着けないからね。
「何箇所か野池に通っているんですけどデカいバスを釣ったことがない」というなら…もしかしたらそこにはいないのかもしれない。
それでも居場所を探すヒントをいうと、春のシャローに差してくるタイミングで池を見て回ってポテンシャルを探る。あと、僕がジャイアントベイトを多用する理由として、デカいバスがいればチェイスしてくるでしょ。例えばそういう手を使って、どこにでかバスがいるのかを把握してるよ。
当たり前の話だが、そこに存在しないでかバスを釣ることはできない。しかし、存在確認なしに「いるであろう」という希望的観測で狙っている人が意外に多いのだという。