ほぼ同じ? いや実は違うんです! 外観変わらずに見えるホンダ 新型N-ONEの重箱の隅をつついてみた

2020年11月20日(金)に登場したホンダ 新型N-ONEは衝撃のフルモデルチェンジだった。骨格やパワートレインを刷新しながら「外観がほぼ全く同じ」なのだ。そんな例、これまで聞いたことがない! とはいえ「ほぼ同じ」と言いながらも「実はココが違う!」も結構ある。今回はそんな新旧N-ONEの重箱の隅をつついてみる!

手前右から)ホンダ 新型N-ONE Original(2代目:2020年)/初代N-ONE(2012年)/N360(1967年)

新旧で見た目はほぼ一緒!? 前代未聞のフルモデルチェンジ

2012年11月、ホンダの新世代軽自動車Nシリーズ第三弾として登場した初代「N-ONE(エヌワン)」は、ホンダ初の量販軽乗用車「N360」をモチーフにした親しみやすいデザインで好評を博した。

新型(2代目)N-ONE Original(2020年11月発売)

あれから丸8年が経過した2020年11月、N-ONEがフルモデルチェンジを実施した。第二世代のNシリーズ(2代目N-BOXや2代目N-WGN)同様にプラットフォームやパワートレインを刷新。先進運転支援システムHonda SENSING(ホンダセンシング)を全車標準装備化した。

そして驚くのが外観だ。TOP画像にある赤いクルマがフルモデルチェンジした新型N-ONEで、隣の白いクルマが「初代」N-ONE。

そう、フルモデルチェンジしたにも関わらず、新旧で見た目はほぼ一緒なのである!

写真でサクッと見比べてみた! 新旧N-ONE比較・外観編

新型(2代目)N-ONE Original(2020年11月発売)

新旧N-ONEの標準グレードを見比べてみると、新型(Original)は、バンパー下部の黒い開口部(よく見ると全部に穴が開いている訳ではない)が横に拡がっていて、バンパー形状も変更。黒くてわかりづらいが、実はグリル部の角度も少し垂直気味に変化している。

初代N-ONE G・L Package(2012年11月発売)

ヘッドライトの形状も変更。初代のヘッドライトはプロジェクタータイプのディスチャージヘッドライト(HID)なのに対し、新型はフルLED化。ポジションランプ、ターンランプ(ハザードランプ)を兼ねたリング状のデイタイムランニングランプも備わる。グリル形状の変更に伴い、新型のほうがライト位置も奥まり、ちょっぴり彫りの深い顔立ちになっているのもわかる。

新型N-ONE Original

リヤも同様に、新型はバンパー下部の形状を変更して左右に横長のリフレスターを配することで、見た目のワイド感や安定感を強調している。

初代N-ONE G・L Package

リヤコンビランプは従来型でもストップランプとテールランプはLEDだったが、新型ではフルLED化。テールランプとターンランプが四角いダブルリングで発光するようになった。

写真でサクッと見比べてみた! 新旧N-ONE比較・内装編

新型(2代目)N-ONE Originalのインパネ・インテリア

新型N-ONEではインパネを新設計し直され、メーター、ナビ、シフト、そしてシートのレイアウトも全て変更。収納スペースが増えたほか、パーキングブレーキも足踏み式から電子制御式に変わった。またグローブボックスの形状を見直し足元空間を拡大させたことで、助手席の乗員もよりくつろいで座ることが出来るようになっている。

初代N-ONE G・L Packageのインパネ・インテリア

初代のシンプルな形状も、これはこれで新鮮な印象だ。写真のモデルには、ディスプレイオーディオを装備。スマートフォンとの連携用にオリジナルのナビアプリを用意するなど、2012年当時としてはかなり先端を行っていたものの、少し時代が早過ぎたようで装着率はあまり高くなかった。

新型N-ONE Original, 初代N-ONE G・L Package
新型N-ONE Original, 初代N-ONE G・L Package

シートは初代が左右一体のベンチシートなのに対し、新型では左右独立のセパレートシートに変更。左右のホールド性能が向上し、身体をよりしっかり支えてくれる形状となった。

同じようで実は結構違うけど、根底に流れるデザインの一貫性は変わらない

ホンダ初の量販軽乗用車「N360」(1967年)

こうやって内外装を一通り見比べてみても、一見すると変わっていないように見えた新旧のN-ONEも、細部では色々と変更が施されたことがわかる。それでいて、N360から脈々と続くタイムレスなデザインの一貫性は変わっていない。

ならばこのデザインのまま、EV版のN-ONE…なんていうのも、早く見てみたい気がする。相当に気の早い話だが、次のフルモデルチェンジでもずっとこの流れが続くことに期待したいところだ。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:茂呂 幸正・MOTA編集部・Honda]

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