千々石ミゲル墓所推定地 来夏、第4次発掘調査へ

来年夏の第4次発掘調査を発表する浅田代表(右)=諫早市、伊木力公民館

 ローマを訪問した天正遣欧使節の1人、千々石ミゲルの子孫や研究者でつくる民間組織「千々石ミゲル墓所調査プロジェクト」(浅田昌彦代表)は、諫早市内で会見し、来年8月から約2カ月間、同市多良見町の墓所推定地で、第4次発掘調査を実施すると発表した。
 前回、人骨が見つかったミゲルの妻とみられる墓穴の南側にある別の墓穴とミゲルとの関係性を考古学的に明らかにした上で、潜伏キリシタンとの関連やミゲルの歴史的な再評価につなげる狙い。
 発掘調査は2014、16、17年の3回、子孫の浅田代表(67)=川崎市=や民間実行委が実施。前回、仏教形式の墓石の地下にキリシタン信仰をうかがわせる副葬品が見つかった。
 来年8月2日~10月8日の第4次発掘調査では、墓所の造成方法や埋葬の特徴を調べる。調査方法や出土品の分析に際し、今回初めて調査指導委員会(委員長・谷川章雄早稲田大教授)を設置する。
 調査総括の石造物研究者、大石一久氏は「イエズス会を退会した後も信仰を捨てなかったミゲルの人物像がより確定的になることを期待する」と説明。浅田代表は「墓石発見から17年、最後の調査にしたい。先祖が墓所をひそかに守ってきた理由を明らかにするのが私の使命」と述べた。
 調査費用約1200万円が見込まれ、同プロジェクトは500万円を目標に募金活動を開始。問い合わせは浅田代表(電050.5235.5329)。
 一方、諫早などの四つの研究団体「千々石ミゲル研究・顕彰会」(町田義博会長)は13日、墓碑前で供養会を営んだ。

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