高等特別支援学校への通学バス窮地 新潟南区の保護者ら自主運営 車両老朽化などで

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西蒲高等特別支援学校へ通う生徒の保護者が自主運営する通学バス=新潟市南区

 新潟市南区などから西蒲高等特別支援学校(西蒲区)へ通う生徒の保護者らが自主運営してきた通学バスが、窮地に立たされている。車両の老朽化による買い換えと付添人の増員が必要となり、このままでは来年度から負担金が大幅に増えると見込まれるためだ。保護者らは「障害のある子が安心して通学することができなくなる」として、打開策を模索している。

 南区には高等特別支援学校がなく、知的障害のある子どもの多くは同校へ通っている。学校への公共交通機関が限られ、毎日の送迎が困難な家庭もあるため、2011年、保護者と「南区手をつなぐ育成会」が運行会社に依頼し、通学バスを走らせた。保護者の当初の負担金は月額5千円程度だった。

 その後、国の安全規制強化を受け、バス運行に必要な経費が跳ね上がった。保護者の負担を減らそうと、15年度には育成会で中古バスを購入。運転を含む管理業務のみ運行会社に委託する形にしたが、それでも現在の負担金は月額2万円となっている。

 こうした中、中古バスは運行から5年が過ぎ、エアコンや自動ドアの故障、雨漏りなど、老朽化が目立つようになった。

 また、バスの利用者層が開始当初から変わった。運行時刻の見直しなどで、障害が軽度の生徒は路線バスを使うようになり、通学バスを利用するのは、介助が必要な生徒が多くなった。市の支援事業を活用したヘルパー2人体制では限界で、ほかに有償ボランティアが必要な状態だ。

 通学バスは現在、南、西、西蒲区の13人が利用。車両買い換えとボランティアの賃金を合わせると、利用人数が変わらなければ、負担金は1万5千円増え、月額3万5千円になると見込まれる。

 南区通学バス保護者会は「バス代が家計を圧迫すれば、子どもが学校を辞めるか、送迎のために親が仕事を辞めるかしかなくなる」と訴える。例年、バザーなどで募金活動をして経費の足しにしてきたが、さらに寄付などを募りやすいように、来春に向けてNPO法人の設立準備を進めている。

 10月下旬には中原八一市長に支援を求める請願書を提出した。ただ、中原市長は「引き続き検討していきたい」と述べるにとどまり、行政の支援が得られる見通しは立っていない。

 保護者会の副会長の女性(49)は「障害のある子どもの自立は、健常者とは異なる。子どもが学び、親も働けるためにも、通学バスをなくすわけにはいかない。できる限りのことはしていきたい」と力を込めた。