わがまち回顧2020 東京支社 シュガーロードが認定

砂糖を保管していた様子が再現されている三番蔵=長崎市、出島和蘭商館跡

 文化庁が有形無形の文化財を認定する日本遺産に本県や佐賀、福岡両県の8市が申請していた「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」が認定された。認定件数が目標の100件を超え、今年で事実上最後となる中、5度目の申請でようやく光が当たった。
 シュガーロードは長崎から小倉まで続く長崎街道の俗称。出島に荷揚げされた交易品の砂糖が京都や江戸に運ばれる過程で、地域ごとに多彩な食文化を生み出した歴史に由来する。菓子や名所など52の構成資産があり、県内はカステラや諫早おこし、大村寿司(ずし)、出島和蘭商館跡などがある。
 これら一つ一つがシュガーロードにまつわる歴史的物語を持ち、各地の観光資源に深みを与えてきた。審査では「鎖国期における砂糖や南蛮文化の伝播(でんぱ)が分かりやすい」と評価された。
 本県関係では4番目の日本遺産認定。新型コロナウイルスの影響で激減した観光客の“呼び水”としての期待もかかる。佐賀、福岡両県を含めた街道沿いの自治体は連携を深めて物語の発信力を高めてほしい。
 主なニュースは▽九州新幹線長崎ルートの協議難航▽国が長崎港の2バース化と、島原道路有明町-瑞穂町間約10キロを新規事業化▽コロナ禍で長崎-東京のウェブ商談が活発化▽原爆症の最高裁判決で長崎、広島の女性原告敗訴。


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