“二毛作”飲食店の挑戦 新業態で苦境を乗り越える

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、東京都内では酒類を提供する店で営業時間短縮の要請が延長されています。こうした厳しい現状を打破しようと、店の中に別の業態の飲食店をオープンさせた、いわゆる“二毛作店舗”が登場しています。

新宿駅前にある居酒屋「いろはにほへと」は北海道の食材を使った料理が味わえる店ですが、新型コロナの感染拡大や営業時間の短縮要請に応じたことなどから、一時は例年の2割ほどまで売り上げが低迷しました。この状況を打破しようと、夜に営業する居酒屋に加えて昼も夜も営業するハンバーグ専門店を今年11月、同じ店内にオープンさせました。

居酒屋店が手掛けるハンバーグといっても味は本格的です。調理工程を見てみると、厳選した牛の中落ち肉と熟成の黒豚を店内で2度びきし、一つ一つ丁寧にこね、形を整えます。そしてフライパンの高温で一気に焼いた後、さらに肉汁を閉じ込めるため、オーブンで7分間じっくりと焼き上げます。出来上がったハンバーグはふっくらとジューシーで、かんだ瞬間、肉汁が口の中に広がります。

新型コロナの影響が続く中「なかなか大人数で居酒屋に行くことはできないものの、1人で居酒屋には行きづらい」といった"おひとりさま需要”やファミリー層を取り込み、店ではハンバーグ専門店を導入したことで売り上げを7割から8割まで戻すことができたといいます。

飲食店も新たなニーズを開拓し、あの手この手でこの苦境を乗り越えようとしています。

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