鷹・周東が2度の契約交渉で見せた“プライド”「結果を出せば走塁面の価値も高まる」

会見に臨んだソフトバンク・周東佑京【写真:代表撮影】

2度目の交渉で前回と同じ倍増の4000万円でサイン

ソフトバンクの周東佑京外野手は22日、PayPayドーム内の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨み、前回と同じ倍増の4000万円でサインした。18日に続き2度目の交渉でも「走塁の価値を高める」ことを話題に話し合い「深掘りできた」と満足気な表情を見せた。

18日の交渉後も「金額に不満はない」と話していた通り、周東は金額的な上積みはなくとも気持ちよくサインに応じた。それも「深く話し合いたいと思っていたが、前回の内容からさらに深掘りできた」と満足した様子。

「速い球を投げたり、(打球を)遠くに飛ばすことはクローズアップされやすいが、盗塁したり、1点を取る走塁も野球においては大事。走塁の評価は難しいと思うが、その辺の見方について『改善しないといけないところもあるのかな』と言っていただいた。僕がもっと結果を出せば走塁面の価値も高まってくると思う」

充実した話し合いの末に来季の契約を交わしたことで、気持ちは来季へと向いている。狙うのはもちろん2年連続の盗塁王だ。

「1回獲れたから満足するのではなく何年も獲りたいと思うし、チームの勝ちに貢献するためにも変わらずに走っていきたい」

来季は「守備の安定感を第一を考えたい」

そのためにも出塁率の向上を目標に掲げ「最低でも3割5分はいきたい。1番をやらせてもらう以上はそこにこだわっていきたい。何でも塁に出る手段はあるので、どうやって塁に出るのかをこの期間に見つめ直してやっていきたい」と更なる飛躍を誓う。今季見えてきた課題には「ボール球を振ることが多かったので見極めが大事。特に終盤は何でもかんでも打ちにいっていたので、冷静にどれだけ(球を)見れるかが大事」と自身を見つめ直した。

課題だった守備面については「エラーを1つでも減らしたい」と語り、今宮らとの自主トレでスローイングを徹底して磨いていくつもりだ。「アウトにしても悪い送球が多かったし、(中村)晃さんや(明石)健志さん、(川島)慶三さんにたくさんカバーしてもらった。守備の安定感を第一を考えたい」と反省も忘れない。

自主トレのリーダーとなる今宮も「ライバル同士で切磋琢磨して、盗み合って成長できればいい」と、同じポジションの仲間で1月から競い合うことを楽しみにしている。

倍増となった年俸については「お金は貯めます」と笑いながら「1年間支えてもらったので、何かしらの形で還してあげたい」と、今年結婚した愛妻への恩返しは考えているようだ。

周東は2度に渡って走塁への評価について話し合えたこと自体を「自分のモチベーションになる」と言い切り「(球団に)僕から提言したわけですから、結果を出すしかない」と、来季の活躍に強い意欲を示していた。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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