ダルビッシュの名前がトレード市場に浮上? 米記者が伝える

「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンは日本時間12月22日、ダルビッシュ有(カブス)の名前がトレード市場に浮上していることを伝えた。ただし、ヘイマンはこれについて「カブスがあらゆることを検討しようとしていることの例かもしれない」との見解を示しており、具体的なトレード交渉が行われているわけではなさそうだ。また、ある球団のエグゼクティブの見解として「ダルビッシュのトレードが実現する可能性は非常に低い」ことも伝えている。

2016年にワールドシリーズ制覇を成し遂げたカブスは現在、チームの転換期を迎えており、コロナ禍による財政難の影響もあって多くの主力選手がトレード候補に挙げられている。クリス・ブライアントを筆頭に、ハビアー・バイエズ、ウィルソン・コントレラスらをトレードで放出する可能性が取り沙汰されているが、トレードで放出した際に最も大きな対価を得られると言われているのがダルビッシュ。サイ・ヤング賞投票で2位にランクインしたばかりのダルビッシュに放出の噂があるのはそのためだ。

ヘイマンは「ダルビッシュが本当にトレードされるのであれば、パドレスが非常にフィットする」と述べている。パドレスにはカブスを満足させられるだけのプロスペクト(若手有望株)がおり、トミー・ジョン手術を受けて来季全休が確実となったマイク・クレビンジャーの穴を埋める必要もある。また、パドレスのAJ・プレラーGMはダルビッシュのレンジャーズ入団に一役買った人物であり、打倒・ドジャースを実現するための切り札として、ダルビッシュは喉から手が出るほど欲しい存在だろう。

とはいえ、2019年の後半戦からメジャートップクラスの好成績を残し続けているダルビッシュを獲得するのは容易でなく、「ベーブ・ルースのような対価が必要」と指摘するエグゼクティブもいる。パドレスがプロスペクトの大量放出に応じる可能性は低く、カブスが要求する対価のレベルを下げない限り、トレードの実現は困難だろう。トレードの可能性がゼロとは言えないが、ダルビッシュは来季もカブスの一員として開幕を迎える可能性が高そうだ。

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