出版社に勤めながら軽井沢に家族で移住。編集者・坂口さんの、軽井沢でのあたらしい“本のプロジェクト”

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東京での仕事と子供が学ぶ環境を両立させるために取った「軽井沢移住」という選択肢

東京の出版社で書籍編集の仕事をしている坂口さんが軽井沢に移住しようと考えたきっかけは、新しい学校(幼小中の一貫校・軽井沢風越学園)の開校がきっかけだったそうです。

1年前の学校説明会に参加し、その方針に共感して「落ちても受かっても移住をしよう」と決意。準備を開始し、2019年12月に無事合格、2020年3月に引越しました。

それまでの数年で、都内の暮らしの窮屈さ(子育てや住居の狭さなど)を感じていたため、漠然ともう少し郊外にいきたい、という話はご夫婦でしていたそう。実際に、逗子や鎌倉の物件を内見していたものの、その時は軽井沢という場所は候補にあがっていなかったそうです。「学校というきっかけがとても大きかったことと、軽井沢の土地は、年に何回か旅行で訪れるなど、気に入った場所だったので、それも後押しになりました。」と語ってくれました。

移住の際に気になったこと、調べたこと、準備したこと

「一番の懸念は、冬の寒さでした」という坂口さん。“軽井沢ブルー”という言葉もあるほどで、冬の長さ・厳しさにうつ気味になり、都心に帰りたいと思うのではないか、と懸念していたそうです。
坂口さんは茨城出身、奥さまは大阪出身なので、冬の寒さにあまり耐性がないと自覚していたこともあり、そのための対策として、家選びはしっかり行ったそう。
「避暑地向けの夏仕様の別荘ではなく、定住むけの戸建てに限定して探しました。また、気に入った物件を引越しの4ヶ月前に契約するなど、先手で動きました」と坂口さん。
現在のお住いは、学校への近さと、ツルヤ(スーパー)の近さ、市街地であることから雪の心配が(別荘地に比べると)少なかったことから決定。「特に妻がペーパードライバーだったので、車の運転は懸念事項でした。」

情報収集については、主にインターネットを使用。「現地で、東京から移住をしてブログで情報発信をされている方がいらっしゃったので、ブログなどをよく参考にしました。また、その方が移住コンサルをされているのを知り、都内でお会いして、情報をうかがったりもしました。」と坂口さん。
コストは、賃貸契約の初期費用や引越し代に加え、東京の自宅を売るまでの二重家賃」がかかったそうです。

また、現在も同じ出版社に勤務している坂口さん。当初は新幹線通勤をしており、移住前に新幹線通勤の交通費について、会社に負担額などを事前に確認したそうです。
「ですが、コロナをきっかけに働き方を見直し、リモート中心に変更、現在は、週に1度ほどオフィスに出社するペースで働いています。」とのこと。

移住して変わった考え方、そして新しいコミュニティで目指すもの

移住により、「自分の身の回りのことやものを、できるだけ自分でつくっていこう、という考え方にシフトしました」という坂口さん。
それまでは、家事や子育て、食事などあらゆることをアウトソーシングすることが生産性をあげる意味で、正しいことだと信じて疑わなかったのですが、軽井沢に来てからは、消費するのではなく、野菜から小さな家具まで、自分で作ることができないか、まず考えるようになったそうです。まわりの人の、つくったり、余ったら配っている姿にもとても影響を受けた、と語ります。

また「地域コミュニティの中で、本を中心にした活動や、子どもたちに何か残していけるような活動に貢献していきたい」と考えて、仲間と「風の本棚」というブックイベントを開催しました。
「本に集う時間をつくりたい」という思いから生まれたプロジェクトの第一歩として開催されたこのイベント。軽井沢の開放的な空気感のなか、来場くださる方々が思い思いの距離感で、本との出会いを楽しんでくれたことが、とても印象的だったそうです。
編集者ならではの、すてきなイベントですね。

「ずばり、移住してよかった?」と聞いてみました

移住前、移住先に合わなかったら、都心に戻る決断も厭わないことは、夫婦で確認し合っていた、という坂口さん。現在の坂口さんの答えは「移住をしたことで、見える世界が変わりました。それが良いか悪いか、まだ結論を出すのは早い気もしますが、日々、楽しく暮らせています。子どもとの関係も、より近いものになったと感じます。」という、実感にあふれたものでした。
自然の中で暮らすことで、花や草木の名前など、自分がいかにものを知らないか、そして自然の移ろいに無神経になっていたということに気付かされたそうです。

「ネットの情報は正直、あまり当てにならないと思います。もし移住したい気持ちがあるのであれば、ネットだけで判断してしまうのは、もったいない。少なくとも、現地に何度か足を運んで、観光ではなく、暮らしを体験してみたり、知り合いをたどって、現地で暮らす人に話を聞いてみてから、考えてみるのが良いと思います。ですので、このインタビューも記事も参考ていどに。。。」と控えめに語る坂口さん。
また、同じ立場で東京から移住した人(コミュニティ)の存在がとても大きいです、とも話してくれました。

移住の際に最も気になっていた「冬の寒さ」については?とたずねたところ、「おかげで、今のところ(12月時点)では、寒さがしんどいところまではいっていません。ただ、1月以降の雪と寒さは未体験ですが…。」と答えてくれました。

学校との出会いがきっかけとなった移住。編集者という職業をいかし、東京の会社勤務と軽井沢ならではの新しいプロジェクトを楽しんで進めている坂口さん。きっと、軽井沢でこれからもさまざまなことに家族でチャレンジしていくのでしょう。

新しいチャレンジが決まりましたら、Nativ.mediaでも紹介します!