チェルノブイリの子、穏やかな笑顔 支援団体が21年版カレンダー

笑顔の子どもたちを紹介する救援カレンダー(チェルノブイリ子ども基金提供)

 旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故の被災地で暮らす子どもたちを救援する2021年版カレンダーが完成した。市民団体「チェルノブイリ子ども基金」(東京都練馬区)が製作。コロナ禍の中、免疫力が低下している現地の子どもたちへの影響が懸念される一方、日本では各種集会を開催できず、募金などが難しい状況という。収益はチェルノブイリと福島で被災した子どもたちの救援活動に充てられる。

 原発事故は1986年に発生し、同基金は91年に設立された。寄付や里親など定期的な支援者は神奈川県内の約200人をはじめ全国で約1700人に上る。

 医薬品提供などを手掛け、96年からはウクライナと隣国ベラルーシで保養事業を実施。夏休み期間中の子どもたちが保養施設で治療やカウンセリングなどを受け、イベントやクラブ活動を楽しむ取り組みだ。これまで延べ約4500人が参加し、心身両面で健康回復を図ってきた。今年はコロナ禍で開催が危ぶまれたが、感染防止対策に努め、7~17歳の70人が参加した。

 カレンダーの写真は佐々木真理事務局長が撮影し、昨年の保養時を中心に穏やかな笑顔の子どもたちを紹介している。来春は事故から35年。佐々木事務局長は「事故を知らない世代も多いと思うが、被害は今も続いていることを知ってもらえれば。福島の問題についても一緒に考えてほしい」と話す。

 カレンダーは見開きA4判で1部800円(送料別)。問い合わせは基金電話03(6767)8808。申し込みはメール(cherno1986@jcom.zaq.ne.jp)で。

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