JR東海 11か所の車掌訓練装置を刷新、車内モニターや無線機を設置し再現性や機能性を向上

JR東海は在来線乗務員職場11か所にある車掌訓練装置を刷新、2021年1月までに導入する。設備投資額は約4億円。

実際の乗務で起こり得るさまざまな事象について複数の事象を輻輳(ふくそう)して発生させる機能などを向上。ホーム上の安全確保、車掌の対応能力向上を図る。

具体的な進化は、次の4点。

(1)実践的で複雑な異常時の再現

実際の乗務でさまざまな異常時を模擬した訓練シナリオ内に、実際の乗務で起こり得る乗客の転倒などの動きのある事象や、ホーム可動柵等の新たな事象を追加。

訓練シナリオ内で最大4種類の事象を輻輳して発生させる機能を充実。これで複雑な状況を再現でき、実践的で効果的な訓練を行い、異常時対応力の向上を図る。

(2)車内モニター、無線機の設置

車掌が乗務する後部運転台に実際の車両を模擬した車内モニターや無線機を設置し、よりリアルな環境で訓練できるように。

(3)模擬ホーム可動柵の設置

2021年3月に金山駅へ導入するホーム可動柵の模擬装置を新たに設置。ホーム可動柵の取り扱いに関する実践的な訓練を行える。

(4)録画機能の追加

録画機能を新たに追加し、訓練受講者が訓練指導者とともに自らの訓練のようすを映像で振り返られる。

―――実際の乗務で起こり得るホーム上の事象は、「ホーム等状況」「車両」「人物」などの分類ごとに設定。ホーム上では「日光が照射」「非常を知らせるホーム設備動作」「乗客の音声模擬『すみません』」「信号が停止状態に変化」などを想定した訓練ができる。

また、車両では、「ドアが閉まりきっていない」「鞄挟まれ(ドアが閉まりきっていない)」「鞄挟まれ(ドアが閉まっている)」「傘挟まれ(ドアが閉まりきっていない)」「傘挟まれ(ドアが閉まっている)」など5項目を想定した訓練も採り入れる。

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