新潟県十日町市松之山で15年ぶりに新種の昆虫を発見

新種「Ulomorpha longipenis」の画像(十日町市の報道資料より)

新潟県十日町市は21日、松之山地域の天水山のブナ林で採集されたヒメガガンボ科の昆虫が新種であるとして、「十日町市立里山科学館 越後松之山“森の学校”キョロロ」の加藤大智研究員がブルガリアの国際学術雑誌「Zookeys」で論文発表したと発表した。キョロロでの新種昆虫の発見は、2005年以来15年ぶりとなる。

新種「Ulomorpha longipenis」として認定されたのは、ヒメガガンボ科ウロモルファ属の昆虫。詳細な形態比較や国内外の研究機関が収蔵する標本調査を経て、近縁種に比べて雄交尾器の挿入器が明らかに長いなどの相違点からこの名前が命名された。論文では松之山で採取された本種と、奄美諸島に分布する種の2種が新種として記載された。ウロモルファ属の新種が論文掲載されるのは、1949年以来71年ぶりである。

採集地は天水山の標高800メートル付近のブナ林周辺だが、松之山だけでなく日本本土に広く分布することも同時に明らかになっているという。なおキョロロでは2005年に、館周辺のブナ林で新種マツノヤマヒメコケムシを発見しており、松之山地域では15年ぶりの新種昆虫の発見となった。

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