【幕末維新 山口れきし散歩】 No.11 「脱隊諸士招魂碑」

▲栄光の影に(山口市下小鯖)

 戊辰戦争も終わりを遂げた1869(明治2)年、奇兵隊をはじめとする約5000人の兵士が郷里へと凱旋して来た。この時、山口藩は、兵士の中から2250人を精選し常備軍を編成、残りを解散させるという兵制改革に着手した。これを不服とする兵士たちは暴動を起こすが、やがて常備軍によって鎮圧された。その後、首謀者は捕らえられ、藩内外で約130人が死罪となり、その内の13人が、ここ柊の地で刑場の露と消えた。

 1893(明治26)年4月、その霊を弔うため、奇兵隊出身の三浦梧楼が発起人となり、刑場跡地に宝篋印塔が建立された。碑文は同隊出身の長三洲が自ら撰し記したものである。

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