北陸一の大杉や重要文化財の本殿…須波阿須疑神社の見どころ4選

福井県池田町に、北陸一と謳われる大杉が見られる神社があります。
その名も、須波阿須疑神社(すわあずき神社)。
たくさんの文化財に出会える神社でもあります。
今回は、須波阿須疑神社の見どころを詳しく紹介します!

須波阿須疑神社とは

須波阿須疑神社は、地区の神社ではなく、池田惣社、つまり池田町全体をつかさどる神社で、平安時代中期に編纂された延喜式(当時の法律関連の書物)にも載っています。

延喜式に記載があるということは、当時朝廷から重要視されていた神社だということ。
須波阿須疑神社の格式の高さと歴史の深さがうかがえます。

須波阿須疑神社の見どころ①神門

須波阿須疑神社の鳥居をくぐると、最初に見えてくるのがこの大きな神門です。
嘉永3(1850)年に再建されたもので、地元の方からは赤山門と呼ばれて親しまれており、池田町の文化財に指定されています。

かつては最初の鳥居よりも手前にありましたが、戦後に現在の場所に移されました。

須波阿須疑神社の見どころ②拝殿

神門をくぐり、山道を進むと見えてくるのが拝殿です。
こちらも池田町の指定文化財で、能舞台や楽屋のついた珍しい造りとなっています。

池田町といえば、『水海の田楽能舞』が国の重要無形民俗文化財に指定されていることで知られています。
だから須波阿須疑神社にも能舞台や楽屋があるんですね!

文化財の能面

町内には、現在でも能面が置かれている神社が多く、この拝殿の中にもいくつかの能面が飾られていました。

飾られているもの以外にも、福井県指定有形文化財の「中年の女」の能面、文部省指定重要美術品の「天神」の能面を含めた宝物が保管されています。

能面まつり

『越前国古今名蹟考』によると、須波阿須疑神社では、大正7年まで翁神事(伝統芸能の舞)が行われていたそうですが、能が奉納されなくなった現在は、毎年2月6日に『能面まつり』が行われています。
参拝者には小豆粥がふるまわれます。

歴史を感じる絵馬

また、拝殿の中には大きな絵馬もありました。

昔は絵馬というと、こういった大型のものが普通だったそうです。
かなり古いものも多く、上の写真のものには天保十年と書いてありました。

かつての須波阿須疑神社を描いたものも

傷み具合からも、描かれてから相当な年月が経っていることがうかがえました。

須波阿須疑神社の見どころ③本殿

本殿は延徳3(1491)年(戦国時代初期)に朝倉貞景公(一乗谷城主)の寄進によって建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。
(昭和26年、平成23年に保存修理工事が施されています)

本殿に祀られているのは倉稲魂命(うがのみたまのみこと)「いなり」の神。
京都の伏見稲荷神社の神様で、奈良時代にこの地にお招きして祀られました。

彫刻が美しい

そして、本殿で最も見ていただきたいポイントは、屋根を支える梁のような部分。

左から見るのと…

右から見るのとでは…

模様が違っています。

彫刻がとっても繊細で美しいので、ぜひその目で直接見ていただきたいです!

須波阿須疑神社の社名の由来

本殿の右側(右殿)には、「すわ」の神「建御名方命(たけみなかたのみこと)」が、左殿には、「あずき」の神「大野手比売命(おおぬでひめのみこと)」が祀られています。
あずきの神は須波阿須疑神社の社名の由来となっている小豆島の姫神で、古事記にも出てくる神様です。

須波阿須疑神社の見どころ④稲荷の大杉

一通りお参りが終わったら、最後に北陸一の大杉を見に行きましょう。
本殿の右手側から山を登っていくと、数分でこんなに立派な木にたどり着きます。

伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊奘冉命(いざなみのみこと)を祀るご神木でもあり、高さは9m、樹齢はなんと千数百年とのこと。

どれくらい大きいかというと…

こんなに!

ただ、この迫力ある杉の木を目にするには、数分といえども侮れない山道を歩きます。
結構きついので、歩きやすい服装でいくことをおすすめします。

大昔から池田の地を見守り、能が舞われるなど、池田の文化、歴史と密接に結びついてきた須波阿須疑神社。
北陸一の大杉や由緒ある文化財をその目で見てみませんか?

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