「Lino Drops Kamakura」店主の想いと、立ち上げまでのストーリー。

国内唯一の桜貝アクセサリー専門ショップ「Lino Drops Kamakura(リノドロップス)」。

桜貝拾いから素材作り・デザイン・製作まで自分達で行い、丁寧に手作りする一点物の桜貝アクセサリーが人気です。

そんなリノドロップス店主のお二人は、実は鎌倉出身ではなく、愛知県と青森県出身の移住組。

そんなお二人がどの様にしてリノドロップスを立ち上げ、どのような想いで桜貝アクセサリーを作っているのか取材させて頂きました。

▶︎合わせて読みたい:桜貝アクセサリーができるまで。貝拾いから完成までに密着。

桜貝拾いが趣味だったLinoさん

リノドロップスの大人気商品「さくらひとえ」のピアス

ひとみ編集長今日はよろしくお願いします。

早速なんですが、お二人は桜貝をどこで知ったのですか?

Linoさん

私は元々青森県八戸の出身で、演歌のような波しぶきに大きな石がゴロゴロしている黒っぽい海で育ちました。

落ちている貝も全部渋い色しているんですが、それでも子供の頃から貝殻拾いが好きでよく貝を拾っていました。

ある時ガラス瓶に入ったピンク色をした貝を見て「こんな綺麗な貝殻初めて!」と衝撃を受けた思い出があります。

これが桜貝を知ったきっかけで、その時から桜貝のファンになりました。

ひとみ編集長

貝殻拾いは、子供の頃からの趣味だったんですね。

でもなぜ鎌倉だったのですか?

Linoさん

当時勤めていた会社のプロジェクトが湘南だった為、仕事がきっかけで湘南に移り住みました。

その時に、桜貝の収集が趣味になっていて。

始めは色々な場所で桜貝拾いをしていたのですが、一番よく拾えたのは鎌倉の由比ヶ浜でした。

こんなに拾えるんだ!って初めて鎌倉で桜貝拾いをした時に、感動したのを覚えてます。

それでいつか鎌倉に住みたいと思っていたんです。

陸門さん

僕ははじめはLinoが好きだった、桜貝拾いについて行ったのがきっかけです。

始めは何が楽しいんだろうって思っていたけど(笑)

今では僕の方が桜貝を見つけるのが上手くなりました。

ひとみ編集長

確かに桜貝を探している陸門さんは、職人さんのようでした(笑)

お二人にとって鎌倉は、憧れの土地だったんですね。

ところでお二人はどこで出会ったのですか?

陸門さん

僕たちは元々別の会社で働いていました。

Linoが勤めていた会社が湘南でプロジェクトを始めることになり、その仕事がきっかけで知り合いました。

一緒にプロジェクトを進めていくうちに、価値観や思考が共感できる部分が多くて。

仕事が終わっても「また何か一緒にやりたい」とお互い思うようになったんです。

ひとみ編集長お二人の出会いはお仕事だったんですね。

価値観や思考が共感できるって素敵。

桜貝アクセサリーのきっかけは、陸門さんの一言

桜貝のかけらで作られた「さくらゆめみし」

Linoさん

そんな矢先に、2011年の東日本大震災が起こってしまい…。

その被害の大きさに衝撃を受けました。

その時に「いつどうなるかわからない。だからこそ、好きな事をして生きる道を求めてみたい。」とより強く思ったんです。

当時仕事を退職していたので、何が出来るかを模索していました。

陸門さん

それで趣味で集めていた桜貝があったので「せっかくなら桜貝で何か作ってみたら?」と声をかけたんです。

そこから大好きな桜貝で何か作ってみよう!という想いが動き出しました。

ひとみ編集長

私も東日本大震災の衝撃は忘れられません…。

そして桜貝のアクセサリー作りは、陸門さんの言葉がきっかけだったのですね!

でも趣味で起業して、お店が持てるってすごいですね。

Linoさん

最初は仕事にできるとかは考えていなくて、ただの趣味でしたよ。

でも「どうせならみんなに喜ばれるものを作ろう」と思い、インテリアかアクセサリーを作ろうと思いました。

色々調べていたら貝のアクセサリーが意外と無かったので、最終的にアクセサリーを作る事になったという感じです。

ひとみ編集長そうだったんですね〜。

地元の人に受け入れて貰えるか不安だった

リノドロップス開店当時のLinoさん

陸門さん

二人で趣味で桜貝アクセサリーの製作を始めて、せっかくなら販売してみようとなり..。

最初は鎌倉でご縁があった「iichi」というネットショップで販売していました。

そこでコツコツと売れていったので、今度は鎌倉の「鎌人いち場」という市民のフリーマーケットに出店してみたんです。

リアルに出店したのはこれが初めて。

Linoさん

最初は何か言われないかドキドキしていました。

桜貝って鎌倉の人達にとって、あまりにも身近なもので。

その身近なものを使いアクセサリーとして販売する。しかも地元じゃない人間が。正直、不安でしたね。

でも意外にも大盛況で!

地元の人に受け入れて貰えたのが嬉しくて嬉しくて。

そこからフリマの出店回数を増やしていきました。

ひとみ編集長

うわ〜!よかったですね!

私も地方出身者ですが、鎌倉の人に受け入れて貰えるのって嬉しいですよね。

すごくその気持ちわかります。

陸門さん

本当に嬉しかったです!

それで縁あって、小町通りで昔から商売している人に声をかけられて。

週3回お店を間借りして、桜貝アクセサリーを販売できることになったんです。

ひとみ編集長

えー!急展開ですね。

Linoさん

そうなんです。

でも始めはなかなか大変でした。

週3回テーブルを持ってきて、桜貝アクセサリーを並べて売って、営業が終われはまた持ち帰る。

これを毎回繰り返していて。

そして店舗にトイレがないので、鶴岡八幡宮まで走って借りに行っていました。

陸門さん

でもよかったのは鎌倉由来のもので話題性があったので、結構売れ行きが良くて。

試算したら「これだったらギリギリ生活していけるかも!」と希望が見えてきたんです。

それで大町にアトリエ兼ショップを開業しました。

ひとみ編集長

そうなんですね〜!

フリマからとんとん拍子で、ショップを持っちゃうなんてすごいですね。

どちらかが専業でやられていたのですか?

鎌倉の地に救われた陸門さん

桜貝拾いをするお二人

陸門さん

僕が専業でやっていました。

実は僕が前の会社でメンタルを壊してしまって、仕事を休んでいたんです。

その時は本当に心も身体もボロボロで。

始めはリハビリのつもりで、お店をやっていました。

フリーマーケットへの出店も、Linoが気分転換にと連れ出してくれていたんです。

陸門さん

だけどそれが上手く行き始めて。

桜貝の事もネットショップやフリマ、間借りなど。

本当に巡り会えたのは運で。

僕は鎌倉の地があったから救われました。

生きていればいい事あるものですね。

ひとみ編集長

陸門さん…。そんなことがあったんですね。

それにしても、すごい巡り合わせ。

確かに鎌倉は人と繋がりやすいですし、皆さん助けてくれるし、それぞれが好きな事をしているので人を否定しないというか。

多様性を受け入れてくれる街な気がします。

陸門さん

本当そうですね。

僕達も自治会に入ってから、数珠繋ぎのように地域の人と繋がれるようになって。

人との縁が広がったり深まったりすると気持ちが癒されて、全てがいい方向にいくようになりました。

ひとみ編集長

お二人も色々あったんですね。

お店を経営していて、苦労していることなどありますか?

人に任せることができない苦労も

製作に打ち込むLinoさん

Linoさん

オープンしてからは、売上的はお陰様で上手くいきました。

ただ作品作りが大変で。

地元の人達からの評判はいいものの、桜貝はどうも壊れやすいイメージがあったのでそれをどう払拭するか。

桜貝の濡れたような可愛らしく繊細な質感を残しつつ、いかに壊れない丈夫な商品を作れるか。

何度も試作し、研究を重ねました。

地元の方や桜貝が好きな人の想いを汲み取っていった結果、ぷっくりと厚みを持たせて、濡れた質感のある今の形に辿り着きました。

陸門さん

あとどうしても製作が難しすぎて、Linoにしか作品が作れないんです。

どんなに真似をしても、同じものは誰にも作れない。

なので大量生産できないし、Lino一人に負担がかかってしまう。

そして売れても、生産が追いつかない事もありました。

それでもやっぱりちゃんとしたものをお客さんに届けたいので、今でも製作はLinoが一人で手作りで行なっています。

ひとみ編集長

一人で作られているんですね!

大変そう…。

Linoさん

製作だけでなく、デザインも全て私一人で行なっているので、大変ではありますね。

でも桜貝が好きな人が身につける物ですし、妥協できません。

ひとみ編集長Linoさんのこだわりが詰まった作品なんですね!

桜貝がとれなくて大ピンチ!諦めかけたことも

さくら貝の歌があるくらい、由比ヶ浜は桜貝の名所だった

陸門さん

あと以前、桜貝が全く獲れない時期がありました。

理由はわからないのですが、その時は流石にヤバイと思いました。

このまま獲れなかったらどうしよう!?店も続けられなくなる!とその時期は心配で堪らなかったです。

ひとみ編集長確かに桜貝が獲れなければ、作品が作れませんし焦りますね。

Linoさん

そうなんですよ。

なので今は地道にコツコツと、桜貝を定期的に拾うようにしています。

地元の人の話では、30年40年前は砂浜がピンクになるくらい桜貝が落ちていたそうです。

今でも桜貝は拾えますが、そう考えると今後どうなるかわからないですよね。

ひとみ編集長

本当ですね。

桜貝は貴重な存在でなので、大事にしていきたいですね。

ところでお二人は、この仕事をやってよかった事ってありますか?

鎌倉での思い出作りをお手伝いしたい

綺麗な桜貝を見つけられると感動!

陸門さん

この仕事を始めてよかったことは、自分の為に時間を作れるようになった事です。

東京で仕事をしていた頃は、会社やお客さんの都合に時間を取られていました。

でも今は自分の仕事や生活に時間を使えて、時間の使い方がガラッと変わりました。

Linoさん

こうなれたのも桜貝との出会いや、鎌倉の地元の方々が良くしてくださったおかげです。

鎌倉の方達はお金とか身分とか関係なく、仲良くしてくれるので本当に有難いです。

ひとみ編集長今後も活動してく上で、目標にしていることはありますか?

陸門さん立派な理念は持ち合わせていませんが「桜貝アクセサリーを通して、鎌倉での思い出作りをお手伝いしたい」と思っています。

ご自身で拾ってきた桜貝を、アクサセリーにするサービスなども行なっています。

ひとみ編集長一生の宝物になりますね!

デートでも女性同士でも楽しそう。素敵な思い出になりますね。

Linoさん

そうなると嬉しいです!

私達も桜貝に出会って沢山の人との繋がりや、素敵な思い出ができました。

鎌倉に遊びに来た方や、地元の方にも。

桜貝アクセサリーが鎌倉の思い出のひとつになったり、みんなに喜ばれる贈り物として使って貰えたら嬉しいです。

ひとみ編集長

桜貝は可愛いので、身に付けると元気になれると思います。

こういうワクワクする、幸せになれるアクセサリーって素敵ですね。

プレゼントにしても、とても喜ばれそうです。

今日はお二人の素敵なお話が聞けて嬉しかったです。

ありがとうございました!

Linoさんこちらこそ、ありがとうございました(^^)

二人の想いが詰まった「Lino Drops」

リノドロップスは愛知県出身の陸門さんと青森県出身のLinoさんが、憧れの地 鎌倉に住み、地域の人達との素敵なご縁が繋がり生まれたお店です。

東日本大震災や陸門さんの鬱状態、桜貝が拾えない時期があったりと、紆余曲折ありながらも進んできたお二人。

鎌倉や桜貝に携わったことで、人生が大きく好転していきました。

運が良ければチワワのクー店長に会えるかも?!

取材中はほのぼのとした、お二人の仲のいい姿がとても印象的でした。

そんなお二人の「桜貝アクセサリーを通して、鎌倉での思い出作りをお手伝いしたい」という夢が、もっと鎌倉に浸透していけばと思います。

幸せを呼ぶ貝と言われる桜貝を、丁寧に手作りしたアクセサリーを身につければ、素敵な出会いや幸運が訪れそうですね。

二人の想いが詰まった、一点物の桜貝アクセサリー。

鎌倉に来た際には、ぜひお店に立ち寄って覗いてみてくださいね。

▼桜貝アクセサリーができるまではこちら

https://kamakura-life.net/lino-drops-2/

お二人の作品は、オンラインショップでも購入が可能です。

オンラインショップはこちら

住所鎌倉市小町2-12-29鈴木ビル1F電話番号0467-55-5833営業時間10:30~17:30定休日毎週水曜日 ※ 12月28日~31日公式ホームページ公式Instagramhttps://www.instagram.com/lino_drops_kamakura/?hl=ja

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