スーパーフォーミュラ:河野駿佑がSF19を初体験。「コーナーは戸惑うレベルではなかった」理由は

 12月22〜23日、富士スピードウェイで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テスト/ルーキードライバーテスト。このテストに、2018年から全日本F3選手権/スーパーフォーミュラ・ライツに参戦してきた河野駿佑が参加し、ROOKIE Racingから初めてのスーパーフォーミュラSF19を経験した。

 河野は2014年にスーパーFJ鈴鹿シリーズチャンピオンを獲得し、2015年から3年間FIA-F4に挑戦。さらに2018年からは、父であるRSファイン河野高男エンジニアと二人三脚で全日本F3に挑戦してきた。2019年からは、スーパーGT GT300クラスにもLM corsaから参戦するなど、着実にステップアップを果たしている。

 そんな河野は、スーパー耐久でもROOKIE Racingでトヨタ・スープラをドライブしているが、今回、ROOKIE Racingから初めてのスーパーフォーミュラテストに参加した。当初のプランでは、12月22日のセッション1のみの走行予定となっていた。

 河野は22日の8時50分からスタートしたセッションで、少しずつペースを上げると51周ものラップを重ね、まずはスーパーフォーミュラSF19を体験。さらに、当初はそれで終了だった予定だったが、23日のセッション4でも、チームのテストプログラムが順調に終わったことから、30分のみながらふたたびドライブすることができた。

 ドライブを終えて河野は「こうして、初めてスーパーフォーミュラを体験させていただいたROOKIE Racingの皆さんに感謝しています」と語り、SF19について聞くと「速かったです。楽しかったですよ」と笑顔をみせた。

「スピードにはそれなりの覚悟を決めていたのですが、とにかく速かった。でも、これだけパワーがあると楽しいですよね」と河野。そして、同じくこの日、初めてスーパーフォーミュラを体験したDRAGON、今田信宏も語るように、スーパーフォーミュラ・ライツでの経験がSFドライブにも繋がっているという。

「コーナリングスピードについては、スーパーフォーミュラ・ライツも速いのでそこまで戸惑うレベルではなかったです。でも加速はすごいし、トヨペット100Rコーナーなど、パワーがあって曲がるコーナーは、ライツとは別次元でした。加速・減速はレベル違いの領域ですね」

 またこの2日間のテストでは、河野は他のSFLとSFを同時に体験したドライバーとともに、ユニークな経験をしたと教えてくれた。激しい加減速、横Gに耐えるためにフォーミュラでは発泡ウレタンを使ったシートを作らなければならないが、カテゴリーが変わると車両に合わせてシートを作るのが通常だ。しかし、スーパーフォーミュラ・ライツのダラーラ320で使っていたシートは、そのままスーパーフォーミュラSF19に使えるのだという。

「今回のテストは大嶋さん(大嶋和也)とシートをシェアするかたちでしたが、事前にシートを作る気まんまんでガレージに行ったんです。そうしたらまず、メカさんがシートが同じでいけることに驚いて(笑)」と河野。

「そして、これはライツもSFもそうなんですが、ペダルの位置を前後するのが大変なんですね。でもシートをつけてみて座ってみたら、大嶋さんとペダル位置も同じだったんです(笑)。もちろん、シートベルトなど変更しなければいけないところはありましたけど」とスムーズにテストに参加できたようだ。

 SFLの320もSF19も同じダラーラ製だが、シートをそのまま転用できるのは非常に興味深いところ。このため河野は22日、SFで1セッションを走った後に行われたライツのテストでもドライブすることができている。河野をはじめとしたライツのドライバーたちがSFをドライブすることで、このシートのこともダウンフォースの大きさも、スーパーフォーミュラ・ライツがSFへのステップアップに向けたカテゴリーとして、優れたものであることが証明されたとも言えるだろう。

スーパーフォーミュラのテストでROOKIE Racing PONOS SF19をドライブした河野駿佑
SFのテスト後に行われたSFLのテストでドライブする河野駿佑(RS FINE K&N 320)

© 株式会社三栄