安倍前首相が虚偽答弁陳謝、神奈川県内の有権者も憤り「しらじらしい」

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安倍前首相の会見が映し出された家電量販店のテレビ売り場=24日午後6時10分ごろ、横浜市西区のノジマMARKISみなとみらい店

 「桜を見る会」の前夜祭を巡り、不起訴処分となった安倍晋三前首相が記者会見を開いた24日、神奈川県内の有権者から憤りと非難が噴出した。「議員辞職を」「説明責任を」─。とりわけ国会で虚偽答弁を繰り返した責任と検察への疑念が重なり、「三権分立の危機」を問題視する声は大きい。「政治とカネ」を巡る疑惑を未解明のまま幕引きを図る姿勢への反発は根強く、与野党による真相究明に期待する一方、コロナ禍を置き去りにした国政混迷の収束を望む声も上がった。

 「申し訳ないと言うが気持ちは伝わらず、責任を感じているようにも見えない。しらじらしい」。川崎市中原区の市民(78)は安倍氏の会見を切り捨てた。補填分は「手持ち資金から支出した」との説明には「貧困で苦しむ国民の気持ちに応えられない」。

 秘書が略式起訴となる一方、安倍氏の不起訴処分に納得できず、「証拠があり、秘書に聞く機会も何度もあったはず。三権分立の司法が崩れたようなものだ」。虚偽答弁を許してきた国会への疑念も尽きないが、25日の安倍氏招致で「与野党の真剣勝負に注目している」という。

 県内の公立中学校の男性教諭(43)も「国会と同じ。せりふの読み上げで何も伝わらない」と憤りをあらわにした。「国会の在り方など三権分立が崩壊している。疑問に思う生徒たちに、私たち教員はどう説明すればいいのか」。言葉をにごして幕引きを図ろうとする姿勢に「生徒たちにはこんな大人になってほしくない。反面教師にしてほしい」とあきれた様子だった。

 「政治は信頼が大切。非常に残念だ」。伊勢原市で不動産賃貸業を営む男性(64)は、自民党を支持してきただけに落胆は大きい。「秘書の責任にして逃げるのはまずい。国会で説明責任を果たしてほしい」とし、「後進に道を譲った方が自民党のためにもなる」。

 小田原で再生可能エネルギー関連企業を経営する市民(41)は「国権の最高機関の国会でうそをついても大丈夫ならば、誰でも同じことをする。安倍氏は政治家のモラルハザードも引き起こした」。野党の追及に期待するが、「偽証罪が成立する場でなければ意味がない。安倍氏は道義的にも政治的にも責任をとるべき。議員辞職を」と訴える。三浦市のケアマネジャーの男性(70)も「まだ疑問点は多く納得できない。今後も国会などで追及してほしい」と話した。

 一方、横浜市の総合建設会社社長の男性(63)は「いつまでも問題にし過ぎではないか」と、批判的な世論を鼻白んでみる。「いま、国を挙げて最優先に取り組むべきはコロナ対策だ。感染拡大と経済への影響の方が大問題で、時間を食っている場合じゃない」と語った。