中日・キノタクがヤル気!〝おもろいしゃべり〟で盛り上げる

大野雄とともに最優秀バッテリー賞を受賞したキノタクこと木下拓哉

中日の木下拓哉捕手(29)がトーク力に磨きをかけようと意気込んでいる。5年目の今季は自己最多となる88試合に出場し、打率2割6分7厘、6本塁打、32打点と勝負強い打撃に加え、両リーグトップの盗塁阻止率4割5分5厘をマークし、存在感を発揮。それでも「正捕手を取ったという感じはない。規定打席にもいっていないし、今年たまたまチームで一番多く出ただけ。来年またレギュラー争いが一から始まるつもりでキャンプからアピールしたい」と気を引き締めている。

プレー以外で力不足を認識したのはトーク力だ。ヒーローインタビューでばんそうこうを拾った幸運のエピソードを披露した際、記者から補足取材を受けてショックを受けたという。「思ってたことと、言ったことが、結構ずれていた。電話取材で、あれはどういう意味かと聞かれて、分かりやすく説明したつもりだったのに、家に帰ったら妻にも同じことを言われた。本当に何を言っているのか、よく分からなかった」。その後、準備する大切さを痛感し「ちょいちょい生活の中で面白いことがあるので、使おうかなというものをメモしたりするようになった」と打ち明ける。

今オフはTBS系「炎の体育会TVSP」に同僚の大島、高橋周、阿部らとともに出演し全国デビュー。チーム最多の18枚の的を射抜くと大島に「来年1番でしょ、僕」、高橋周には「来年キャプテンでしょ、僕」と絶妙なトークを展開してアピールすると、ツイッターでは「キノタク」がトレンド入りするほど話題となった。

今季限りで引退した元エースの吉見氏がOBの小田幸平氏のSNSで「チームにムードメーカーがいない。ロッカーも全然暗いですね」と発言。これに木下拓は「暗いといえば、暗いかもしれない。明るくなるにはまずは勝たないといけない」と言いつつも「しゃべるのとか好きなんで、お立ち台とかで、おもろいことを言ってくれと言われたら考えればできる。来年はトークでも盛り上げる? まあ頑張ります」と張り切っている。

かつて野村克也氏が捕手はネガティブ、暗い方が向いていると指摘したことがあったが、木下拓はしゃべりでも沸かせて、チームもファンも明るくしつつ成功をつかむ。

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