「マウントレースイスキー場」経営の夕張リゾート(株)が破産申請へ

 夕張リゾート(株)(TSR企業コード:012144690、法人番号:7430001047718、夕張市末広2-4、設立2007(平成19)年2月、資本金500万円、ライ・ユン・ナン社長)は12月24日、ホームページにて「事業継続が困難となり、やむを得ず廃業し、破産申し立てを行うことを決断した」ことを表明した。
 負債は現在調査中。

 夕張市が所有していた観光施設の運営存続が問題化した際に、運営管理を目的に設立。スキー場「マウントレースイスキー場」や「ホテルマウントレースイ」の運営を主力事業に、20カ所以上のレジャー施設の運営を手掛け、2013年3月期には売上高約13億円を計上していた。
 その後、老朽化が激しい施設については閉館や解体を行い、管理を返上。2017年4月には、元大夕張リゾート(株)(現:夕張リゾートホールディング(株)、TSR企業コード:023621206、法人番号:4010601051008、同所)が当社を買収し、従業員を引き継いだうえ、中国やアジアからの集客を見据えたリゾート開発を目指していた。
 2018年3月期には売上高約8億5000万円を計上したが、経費負担が膨らみ、採算が悪化するなど厳しい業況に陥っていた。こうしたなか、2019年3月に香港系ファンドが当社を買収。インバウンド需要に期待していたが、2020年に入ってからは「新型コロナウイルス」感染拡大の影響により3月頃からホテルを休館するなど、業況はさらに悪化。コロナ禍の収束が見通せないなか、12月には今冬のスキー場およびホテルの営業を休止することを発表し、動向が注目されていた。

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