わがまち回顧2020 平戸支局 斜面崩落、交通規制続く

生月大橋付近の斜面崩落現場=7月24日、平戸市主師町

 7月24日早朝、平戸市主師町の県道沿いの斜面が長さ約110メートル、高さ約80メートルにわたって崩落。重さ数トンはあると見られる岩塊や土砂が防護柵の斜面側を埋め、一部が県道を覆い、平戸島と生月島を結ぶ唯一の陸路が約5時間、遮断された。
 崩落発生3日後の同月27日、再び大雨となり、県は午後3時半から全面通行止めの規制を実施。同市は規制開始に間に合わず、帰宅できなかった市民のため、民間の瀬渡し船3隻をチャーター。平戸島と生月島間で計5便を運航し、約50人を運んだ。
 8、9月の大雨、台風でも県は全面通行止め規制を実施。現場の斜面最上部の巨大な岩壁そばには、今も不安定な岩塊があり、いつ通行止めになるか分からない状況で住民は生活している。
 専門家による2度の現場視察などを経て、県は11月下旬、学識経験者らで構成する委員会を開き、本格的な対策検討に入った。不安定な岩塊は専用の網で覆い、砕いて処理する工法を採用。近く、工期などを決定する。県道の安全確保策などは未定で、片側交互通行の交通規制は年を越えて続く。
 主なニュースは▽長崎大との国際医療人育成事業始動▽平戸城「城泊」事業を来春に延期▽新種のユリに平戸ゆかりの名前▽金型製造のKTX(愛知県江南市)が平戸進出決定。


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