わがまち回顧2020 松浦・江迎支局 「元寇」で地域活性化へ

「元寇」の歴史や交流促進などが話し合われた「元寇サミット」=11月8日、松浦市文化会館

 鎌倉時代の2度にわたる蒙古襲来(元寇)の歴史がクローズアップされた1年だった。
 弘安の役(1281年)の元軍の遺物が多数出土している松浦市鷹島町沖の「鷹島海底遺跡」。今年で調査開始から40年になるのを記念し、同市は11月8日、「元寇サミット」を開催した。
 サミットでは文永の役(1274年)を描いた人気漫画「アンゴルモア 元寇合戦記」の作者、たかぎ七彦さんを招いたトークーショーで、元寇の歴史を解説。元寇にゆかりのある松浦、対馬、壱岐の3市長が観光振興や情報発信に連携して取り組む「交流宣言」を発表した。今夏発売された「文永の役」の対馬を舞台にしたゲームソフトのヒットも元寇ブームを盛り上げた。
 松浦市では将来の元軍沈没船の引き揚げを視野に、来年秋ごろ、同遺跡から大型の木製いかりを引き揚げる。クラウドファンディングによる事業費の寄付募集も11月から始めた。元寇の歴史や遺跡を調査から保存、活用し地域活性化にどうつなげるかが今後の課題だ。
 主なニュースは▽県内初の「ウッドスタート宣言」で木育推進▽市総合計画策定▽市民福祉総合プラザ完成▽独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)「松浦中央病院」開院▽市広報紙「meets!まつら」が日本地域情報コンテンツ大賞受賞。


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