わがまち回顧 2020 東彼支局 官製談合再発で波紋

職員逮捕を受け、記者会見で謝罪する一瀬政太町長=波佐見町役場

 わずか3年足らずの「再発」だった。東彼波佐見町発注の公共工事で、当時の町教委係長が町内の電気工事業者に設計金額を漏らしたとして9月に逮捕された。同町では2017年12月にも同様の官製談合事件が発覚していた。
 町は職員への研修や倫理規定策定などの再発防止策を講じていたが、防げなかった。今回再び役場内に再発防止検討委を立ち上げ、部会を増やしたり、参画する職員の幅を広げたりしているが、議会からは「抜本的な解決につながるのか」と疑問視する声も上がる。
 議員からは、独立した第三者組織に検討を委ねる提案もされたが、町側は「うまくいっている地元との協働作業も否定されかねない」として消極的だ。官民の強いつながりは確かに町の強みだ。しかし、不正の温床になっては元も子もない。聖域を作らず、あらゆるリスクをつぶす覚悟で臨まなければ、真の再発防止は望めないだろう。
 主なニュースは▽石木ダム工事差し止め訴訟で長崎地裁佐世保支部が住民側の請求棄却▽波佐見陶器まつりが初の中止に▽東彼杵町前教育長が町長を刑事告訴▽東彼杵町議会副議長が公選法違反容疑で書類送検▽波佐見町議選が初の無投票で14人が当選▽石木ダム事業認定取り消し訴訟で最高裁が住民側の上告棄却▽川棚町役場新庁舎建設が着工。


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