有原に期待される「イニング・イーター」としての役割

日本時間12月27日、レンジャーズが有原航平と2年契約を結んだことが正式に発表された。2年契約の総額は620万ドル。北海道日本ハムファイターズには譲渡金として124万ドルが支払われる。620万ドルの内訳は2021年の年俸が260万ドル、2022年の年俸が360万ドルとなり、それとは別に各年5万ドルの出来高が設けられているという。クリス・ウッドワード監督とジョン・ダニエルズ編成本部長は有原に「イニング・イーター」としての役割を期待しているようだ。

今季のメジャーリーグは60試合制という異例の短縮シーズンで開催されたため、投球回数はランス・リン(今季レンジャーズ、今月ホワイトソックスへトレード)の84イニングが最多だった。前年より大幅に投球回数を増やすことは故障につながる恐れがあるため、来季は各球団が慎重に投手を起用すると見られている。よって、今季130イニング以上を投げている有原はレンジャーズで最も多くのイニングを投げる投手となる可能性がある。

ウッドワードは「彼には多くのイニングを投げてもらうことを期待している。彼が先発ローテーションを安定させてくれれば、他の投手を柔軟に起用できるようになる」とコメント。レンジャーズの先発投手陣ではカイル・ギブソンが今季67.1イニング、ジョーダン・ライルズが57.2イニングを投げているが、その他の若手先発投手は40イニングにも満たない。シーズンを戦っていくうえで、有原が多くのイニングを消化することが重要になるというわけだ。

ダニエルズやクリス・ヤングGMも有原を獲得した決め手として「耐久性」に言及している。シーズン最多投球回は2017年の169イニングに過ぎないが、プロ入りから6年連続で100イニング以上、平均で140イニングを投げている有原。レンジャーズは若手が多い先発ローテーションを安定させるために必要不可欠な存在であると判断し、獲得に動いたようだ。

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