安藤美姫が4回転成功の紀平梨花にエール「私が達成した時は日本の記者さんが一人もいませんでした」

4回転サルコーを決める紀平梨花(代表撮影)

フィギュアスケートの全日本選手権(長野・ビッグハット)女子シングルでエース紀平梨花(18=トヨタ自動車)が連覇を達成。そんな中、本紙は元世界女王の安藤美姫(33)を直撃した。

今大会は紀平のジャンプに注目が集まった。フリー(27日)で4回転サルコーを着氷し、日本人2人目の4回転ジャンパーとなった。その1人目こそが安藤だ。達成の瞬間をテレビで見届けると「クリーンで流れがあって質のいい4回転でした。4回転は気持ちが大きく出るジャンプ。その気持ちを強く持って練習を重ねてきたのだと思います」と感心した様子だった。

安藤は2002年ジュニアGPファイナル(オランダ・ハーグ)で女子史上初の4回転サルコーを成功。だが、今ほどフィギュアは注目されておらず「達成した時は日本の記者さんが一人もいませんでした」と振り返る。快挙の翌日になって急きょ、記者が駆け付けてきたという。

「時代背景も違い、自分自身も今ほど4回転がすごいって実感がなかったです。今ならもっと価値ある4回転と感じられたかもしれませんね」

また、安藤はジャンプに対する価値観、ルールの違いも強調する。

「私のころは3回転ルッツやループがあれば戦えた。でも、今は技術も向上し、4回転がないと表彰台(3位以内)に入れません」

そんな中で果敢に挑戦した紀平を「打倒ロシアの第一歩になると思います。私も浅田(真央)さんと表彰台を争いましたが、紀平さんも再来年の北京五輪を目指す意味で、4回転の成功は強みになると思います」。自身の経験を振り返りつつ、エールを送った。

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