コロナ禍のプロ野球界で「サイレントデー」創設を提唱のワケ

感染予防指針に従い、観客は最大収容人数の50%に制限された

新型コロナ禍の時代に新たな楽しみ方が生まれるかもしれない。未知のウイルスに翻ろうされたプロ野球界で「サイレントデー」の創設が提唱されている。

今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響から開幕が約3か月遅れ、7月上旬まで無観客開催となった。7月10日には上限5000人で有観客試合に移行したが、観客にはマスク着用や大声を出さないといった観戦ルールが徹底された。プロ野球ファンにとっては寂しい限りだったが、一方で歓声や鳴り物のない球場では投球が捕手のミットに納まる音やインパクトの瞬間に奏でられる打球音など、昨年までの満員のスタンドでは聞き取れなかった〝音″にも注目が集まった。だからこそ…と、ある球団の幹部が言う。

「例えば3連戦の中で1試合くらいは鳴り物のない応援デーとかあってもいいんじゃないか。そこまでできなくても9回までのうち、何イニングかで鳴り物を入れないイニングを決めて応援するスタイルを提案するのもありだと思う」

今年は国の感染予防指針に従い、観客は最大収容人数の50%に制限された。来季の開幕時にどんな状況になっているかは予想もつかない。球界関係者の間では「来年も少なくとも最初は50%程度しか入れられないのではないか」と心配する向きもある。

そんな中でテレビやインターネットで観戦するファンのすそ野を広げるためにも「野球の音」に特化した新しいスタイルを確立しては…というわけだ。前出の球団幹部は「臨場感が野球の一つの楽しみ方。静かな応援スタイルを全面的にと言う気はないが、いろんな楽しみ方があるというのも提示できたらいい」と意欲を示している。

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