【プロ野球大将 危機管理の大将:原辰徳監督(巨人)】8回一死で0―11。大勢の決した甲子園での8月6日の伝統の一戦で、リーグ2連覇を目指す指揮官は意外な選手の名前を球審に告げた。巨人の6番手として聖地のマウンドに上がったのは内野手の増田大。制限5000人の中で集まった4969人の観衆も思わずどよめいた。
ブルペンには接戦や勝ちパターンで登板する救援陣の4投手が控えていた。敗色濃厚だったとはいえ、試合を捨てたような選手起用には本紙専属評論家の伊原春樹氏をはじめとしたOBが異を唱えた。しかし、新型コロナ禍による過酷な日程を乗り越えて頂点を目指す指揮官は「俺たちは勝つために、目標(優勝)のためにやっている」と猛反論。その是非は巨人OBの上原浩治氏やカブスのダルビッシュ有投手を巻き込んだ議論となり、大いに話題を呼んだ。