【フィギュア】安藤美姫が「世界で彼女しか跳べない」と大絶賛した坂本花織のジャンプ

安藤美姫が絶賛した坂本花織(代表撮影)

フィギュアスケートの全日本選手権(長野・ビッグハット)は男子シングルで五輪2連覇の羽生結弦(26=ANA)が5度目のV、女子シングルではエース紀平梨花(18=トヨタ自動車)が連覇を達成。アイスダンスでも高橋大輔(34=関大KFSC)が観客を魅了するなど〝役者揃い踏み〟で幕を閉じた。
その試合を見ていた元世界女王の安藤美姫(33)が「あのジャンプは世界で彼女しか跳べない」と絶賛したのが女子2位の坂本花織(20=シスメックス)だった。

今大会は紀平の4回転成功に注目が集まった。元祖4回転ジャンパーの安藤は「4回転もすごいですが、あの坂本選手のジャンプの質はみんなに知ってもらいたい。紀平さんは4回転を成功させているのに、坂本選手とはフリーで4点差。ジャンプは難易度だけではなく質も大事ということです」と舌を巻いた。

坂本はフリーで3回転ルッツで減点があったが、それ以外のジャンプはすべて出来栄え点(GOE)で加点を引き出した。序盤はダブルアクセル(1・60)、フリップ―トーループの連続3回転(2・20)、3回転サルコー(1・23)、後半に入っても2つのコンビネーションジャンプ、3回転ループ(1・19)で加点を重ねた。結局、フリーでは4回転を決めた紀平に4・59点差まで迫っていた。

安藤は「私が4回転をやらなくなったのは他のジャンプの質を高めるため」と振り返る。ジュニア時代に女子世界初の4回転ジャンパーとなった彼女は、シニアに入ってからは構成に入れたことはあるが試合では一度も成功していない。そんな彼女が「世界一の質」と太鼓判を押すだけに、来年以降もパワフルな〝カオリジャンプ〟に注目したい。

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