ヤンキースの「レメイヒュー待ち」の補強戦略はここまで成功?

ヤンキースはアーロン・ブーン監督とブライアン・キャッシュマンGMが「DJ・レメイヒューとの再契約が最優先」と明言している通り、ここまで目立った動きを見せていない。この「レメイヒュー待ち」の補強戦略はここまで順調に機能していると言えそうだ。地元紙「ニューヨーク・ポスト」のダン・マーティンは「他の大半のチームもヤンキース同様に『待ち』の状態が続いており、ヤンキースの補強戦略はここまで上手く機能しているように見える」と伝えている。

マーティンは「大型補強を目論んでいるチームはヤンキースと同様にレメイヒュー、J・T・リアルミュート、トレバー・バウアー、ジョージ・スプリンガーといった入手可能なトップクラスのフリーエージェント選手の価格が下がるのを待っている」と指摘。ヤンキースがレメイヒューの決断を待っているあいだに他球団が続々と大物選手を獲得するような状況になっていないため、「ヤンキースの補強戦略は上手く機能している」と考えているようだ。

マーティンによると、ヤンキースは2021年の年俸総額をぜいたく税ライン(2億1000万ドル)未満にとどめる方針であり、今オフの補強に使える予算はおよそ3000万~3500万ドルほどしかないという。5年1億2500万ドルを希望しているレメイヒューをこの価格で獲得してしまうと他のポジションの補強に使える予算がほとんどなくなってしまうため、レメイヒューの希望額が下がるのを待たざるを得ない状況なのだ。

ヤンキースはレメイヒューとの再契約に失敗した場合、グレイバー・トーレスを遊撃から二塁へ移し、遊撃手の補強に動くと見られているが、現時点では遊撃手の市場にも大きな動きはなく、マーカス・セミエン、ディディ・グレゴリアス、アンドレルトン・シモンズはいずれも市場に残っている。ここまではヤンキースの思い通りに市場が動いていると言えそうだが、キャッシュマンがここからどんな動きを見せるか注目したい。

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