2020年、1票以内の僅差で決着した選挙の数は……?!「あなたの1票が、人生を、社会を、変える」

選挙ドットコムでは日本全国の選挙管理委員会(以下、選管)から選挙情報をお送りいただきデータベースとして集約・掲載しています。
2020年は新型コロナウイルス感染症が社会全体に大きな影響を与えた一年となりましたが、選挙は日本全国で行われてきました。
今回は選挙ドットコムが情報を収集することのできた全国663選挙(内訳 首長選挙:379、議会議員選挙:283、国政選挙:1(衆院補選))のうち、僅差で当落が分かれた選挙をまとめてご紹介します。
1票の重さを説かれることはたくさんありますが、文字通り1票が結果を決めた選挙を見れば大切さを実感できるはず……早速見てみましょう!

>>2019年は26の選挙が1票以内の僅差で決着「あなたの1票が、人生を、社会を、変える。」(2019年12月28日公開)

1票以内の差で当落が決まった選挙の数は……

2020年に行われた全ての選挙のうち、1票以内の差で最下位当選者と次点で落選した候補者が決まった選挙は2つありました。
そのうち得票数が同じだったためくじ引きで当落が決まった選挙は1つでした。

得票が同じだったためくじ引きで当落が決まった選挙(0票差):1選挙

5月3日投票・奈良県宇陀市議会議員選挙

最下位当選の宮田みき氏、次点の宮下公一氏、それぞれ得票数は659票

1票差で当落が決まった選挙:1選挙

1月26日投票・宮城県色麻町議会議員選挙

最下位当選の天野秀実氏・197票、次点の小川昌洋氏・196票

10票以内の差で当落が決まった選挙は……

10票差以内の差で当落が決まった選挙の数は29でした。そのうち市の選挙は9、町・村の選挙は20でした(首長選挙:3、議会議員選挙:26)。

10票差以内の市の選挙:9選挙

2月2日投票・静岡県御殿場市議会議員選挙

最下位当選の本多じょうじ氏・899票、次点のひろおか政幸氏・892票差は7票

3月29日投票・岐阜県郡上市議会議員選挙

最下位当選の原きよみ氏・626票、次点の武藤忠樹氏・623票差は3票

4月12日投票・静岡県御前崎市議会議員選挙

最下位当選の名波和寛氏・669票、次点の清水澄夫氏・661.183票、差は7.817票

4月12日投票・福岡県行橋市議会議員選挙

最下位当選の西田けんじ氏・848票、次点の藤本ひろみ氏・845票差は3票
※なお藤本ひろみ氏は2020年7月、行橋市議の城戸好三氏の副市長就任に伴う議員辞職で繰り上げ当選しました

4月19日投票・愛知県碧南市議会議員選挙

最下位当選の林田かなめ氏・683票、次点の磯貝ゆきお氏・680.100票差は2.9票

4月26日投票・岐阜県瑞穂市議会議員選挙

最下位当選の広瀬たけお氏・514.565票、次点の小川さとる氏・509票差は5.565票

5月3日投票・奈良県宇陀市議会議員選挙

最下位当選の宮田みき氏、次点の宮下公一氏、それぞれ得票数は659票(本記事前段で紹介)

10月25日投票・鹿児島県薩摩川内市議会議員選挙

最下位当選の石野田ひろし氏・1117票、次点のくわ畑あき彦氏・1115票差は2票

11月15日投票・鹿児島県伊佐市議会議員選挙

最下位当選の今村けんさく氏・605票、次点のなかむら浩久氏・597票差は8票

10票差以内の町・村の選挙:20選挙

1月26日投票・宮城県色麻町議会議員選挙

最下位当選の天野秀実氏・197票、次点の小川昌洋氏・196票差は1票(本記事前段で紹介)

3月1日投票・熊本県相良村長選挙

当選した吉松啓一氏・1485票、次点の德田正臣氏・1481票差は4票

3月15日投票・青森県今別町議会議員選挙

最下位当選の田中哲也氏・173票、次点の中嶋惠氏・169票差は4票

3月15日投票・青森県平内町議会議員選挙

最下位当選の倉内清一氏・364票、次点の畑井勝廣氏・360票差は4票

3月22日投票・秋田県羽後町議会議員選挙

最下位当選のこん公一氏・332.505票、次点の佐藤孝一氏・325.891票差は6.614票

3月22日投票・北海道知内町議会議員選挙

最下位当選の木村一氏・117票、次点の花井やす子氏・114票差は3票

3月29日投票・宮城県川崎町議会議員選挙

最下位当選の沼田長一氏・263票、次点の今田勝春氏・254票差は9票

3月29日投票・秋田県五城目町議会議員選挙

最下位当選の荒川正己氏・224票、次点の千田峯夫氏・215票差は9票

4月12日投票・埼玉県松伏町議会議員選挙

最下位当選の松岡たかし氏・227票、次点の荘子としかず氏・222票差は5票

4月19日投票・島根県川本町議会議員選挙

最下位当選の片岡みちやす氏・150票、次点の高良敏幸氏・142票差は8票

4月26日投票・鹿児島県十島村議会議員選挙

最下位当選の岩下正行氏・32票、次点の中村勇貴氏・30票差は2票

5月24日投票・鹿児島県大和村議会議員選挙

最下位当選の民文忠氏・95票、次点の林ひろのり氏・85票差は10票

5月31日投票・山梨県小菅村長選挙

当選した舩木なおよし氏・285票、次点の加藤かずひこ氏・283票差は2票

7月5日投票・青森県新郷村議会議員選挙

最下位当選の永野範英氏・164票、次点のさとう房夫氏・158票差は6票

8月30日投票・鹿児島県与論町議会議員選挙

最下位当選のハヤシ隆寿氏・192票、次点の遠山かつや氏・185票差は7票

8月30日投票・鹿児島県和泊町議会議員選挙

最下位当選の山下幸秀氏・212票、次点のまつむら絹江氏・210票差は2票

10月4日投票・和歌山県みなべ町議会議員選挙

最下位当選の天野仁氏・336票、次点の永井幸喜氏・326票差は10票

10月25日投票・岐阜県岐南町長選挙

当選したこじま英雄氏・2969票、次点の森川まさかず氏・2965票差は4票

10月25日投票・山梨県南部町議会議員選挙

最下位当選の高橋しげひろ氏・283票、次点の若林りょういち氏・279.577票差は3.423票

11月29日投票・奈良県天川村議会議員選挙

最下位当選の小屋としみ氏・100票、次点の角谷甚四郎氏・97票、差は3票

落選した候補者がいたからこそ、有権者は選ぶことができる

1票差以内で決まった選挙が2、10票差以内で決まった選挙が29あったということは、1票差以内で落選した候補者が2人、10票差以内で落選した候補者が29人いたということでもあります。ご紹介した選挙の中には選挙の定数に対して1人しか落選しなかった選挙もいくつかありました。もし落選した候補者が立候補していなければその選挙は行われずその選挙は無投票になっていたかもしれません。当選した候補者が政治家として務めを果たすのはもちろんですが、落選した候補者もいたからこそ私たち有権者は選挙で政治家を選ぶことができると考えると、選挙や候補者に対して少し違った見方ができるようになるかもしれません。

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