【MLB】巨人・菅野智之の獲得球団はどこに? 米メディアが予想する5球団の狙いと思惑

巨人・菅野智之【写真提供:読売巨人軍】

日本時間1月8日が交渉期限、各球団とも高い評価

巨人からポスティングシステムを使ってメジャー移籍を視野に入れている菅野智之投手について、MLBネットワークのジョン・モロシ記者が自身のツイッターで伝えた。ブルージェイズ、レッドソックス、パドレスなど5球団が獲得に動いている、と27日(日本時間28日)に報じた。パドレスはレイズから2018年サイ・ヤング賞左腕のスネルを獲得するなど移籍市場は大きく動いたが、名前の挙がった5球団の菅野獲得の狙いと思惑はいかに。

日本時間1月8日が交渉期限となっている。獲得に動いているチームとしてブルージェイズ、パドレス、ジャイアンツ、メッツ、レッドソックスの5つが挙げられている。

○ブルージェイズ

アトキンスGMは昨年、ドジャースから柳賢振、巨人から山口を獲得した際にメディアに対し「来る年のアジアのマーケットは非常に非常に強いと感じている。しかもそれは来年以降も続きそうだ」と今後の布石だったことを口にしている。今季は2年連続のポストシーズン進出もワイルドカード・シリーズでレイズに敗戦。投手力不足を露呈。先発ローテは柳、レイ、新人のピアソンと層は決して厚くない。

○パドレス

エース候補のクレビンジャーがトミー・ジョン手術を受け、来季は全休となる。同投手は8月のトレードでインディアンスから移籍。今季は2チームで合計8試合に先発し3勝2敗、防御率は3.02だった。2017年から昨季まで、3年連続で2桁勝利。今年、頭角を現したディネルソン・ラメットも二の腕の張りで多血小板血漿治療を受け、そこからの回復具合に疑問符がつくため、力のある先発投手が必要となる。27日にはレイズからスネルをトレードで獲得したとあり、さらに菅野獲りに動くか注目だ。

レッドソックスでは先発3番手、メッツでは将来的な視点からも獲得は効果的と予想

○ジャイアンツ

地元メディア「NBCスポーツ」は「ジャイアンツは日本のエース、スガノとこのオフシーズン契約すべきか?」と題された記事の中で「スガノは現在と将来において、ジャイアンツに実力のあるベテランの力をもたらすだろう」と評した。エースのジョニー・クエトにも陰りが見えるため、獲得リストに名前が挙がる。また「ジャイアンツは来季ローテーションに穴を抱えており、投手のトッププロスペクトであるセス・コリーとカイル・ハリソンはまだ貢献する準備ができていない」とも指摘。2017年のWBCでアメリカ代表相手に結果を出したことも評価しているという。

○レッドソックス

米スポーツTV局「NESN」電子版は「トモユキ・スガノがレッドソックスに? ボストンの噂される関心を形成するものとは」との記事の中で「フィットする」と提言。地元メディアでは、先発投手が不足し、他のFA投手よりもリーズナブルに獲得可能でエース級投手ではなく、ローテ中盤投手を求めているニーズに合致しているとのこと。松坂、上原、田澤など日本人選手との縁があり、他の球団よりも環境面で有利に交渉できるのも魅力か。今年3月にトミー・ジョン手術を受けたクリス・セールは開幕には間に合わないため、ロドリゲス、イオバルディに続く、先発3番手が予想される。

○メッツ

メッツにとって菅野獲得は将来的な視点からも効果的だという。「スガノと複数年契約を結ぶことで、将来的なローテーションの保証と層の厚みがメッツに与えられることになる」と地元メディアはリポート。マッツ、ストローマン、シンダーガードが来季終了後にFAとなるため、将来的なローテの厚みを確保できるとする。抜群の制球力を挙げ「もしスガノがメジャーで先発2番手となれば、彼は契約したチームに莫大な価値を生む可能性が高い。もし彼が4番手にすぎなくても、大きな価値はまだ残っている」と述べている。

どの球団も「制球力が極めて高いこと」「2度の沢村賞、MVPなど日本での高い実績」「WBCでアメリカ代表相手に好投した実績」「他のFA投手よりも安価」といったことを評価項目として挙げているようだ。その動向が気になるところだ。(Full-Count編集部)

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