大雪の恐れ

　静かな年末年始を、と首相が重ね重ね呼び掛けたところで、ご本人が毎度毎度「誰かとホテルでごはん」では説得力や効き目が心もとない…と、お天気が助太刀を買って出たのだろうか－と2020年最後の減らず口を思いついた▲30日ごろから年明けに掛けて「数年に一度」級の寒波が日本列島をすっぽり覆うらしい。九州北部でも、多い所では40センチほどの積雪が見込まれると聞く▲今月の半ば、「予想外の大雪」に見舞われた新潟県の関越自動車道で何百台もの車両が長時間立ち往生したのは記憶に新しい。無論、あちらは有数の豪雪地帯、まさか九州であんな事態は起こるまい、とは思うけれど、その分、雪に不慣れな私たちだ。十分に用心しよう▲昨日までに仕事納めの済んだ方も多かろう。雪に閉じ込められて静かに過ごす年末年始は「休めない仕事」や「休めない人々」のことを考える瞬間がいつもの年より増えそうだ。さまざまに日常を支え、危機に備えるプロの仕事に改めて感謝したい▲打ち明け話を一つ。この欄で早手回しに先の天気の話題を取り上げたものの肝心の予報が当たらず後で読み返して一人で青くなる…幾度かそんな経験をした覚えがある▲今回は、そんなジンクスの発動を大いに期待しながら書いた。できることならお手柔らかに。（智）