新体制のフィリーズ リアルミュート優先の方針は変わらず

フィリーズは今オフ、マット・クレンタックGMが辞任してチームを去り、デーブ・ドンブロウスキー編成本部長とサム・フルドGMによる新体制となった。フロントオフィスのリーダーは変わったが、「J・T・リアルミュートとの再契約が最優先」という方針は変わっておらず、「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンによると、フィリーズはすでにリアルミュートに対してオファーを提示しているという。ただし、他の大物選手と同様、リアルミュートの市場に大きな動きはなく、長期戦の様相を呈している。

フィリーズは2年前のオフにリアルミュートを獲得する際にトップ・プロスペクトのシクスト・サンチェスを放出していることもあり、「サンチェスを出してまで獲得したリアルミュートにたった2年で去られるわけにはいかない」と考えている。ジョン・ミドルトン・オーナーが「リアルミュートと契約延長できないならサンチェスは放出しなかった」と発言しているほどだ。

春季キャンプの時点では契約延長に向けた交渉が行われていることが報じられていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で春季キャンプが中断されたことにより、契約延長交渉も中断。レギュラーシーズンが無観客開催となったため、財政面に大きなダメージを受けたフィリーズはリアルミュートの引き留めに使える予算の見通しが立たず、契約延長を実現させられないままリアルミュートはフリーエージェントとなってしまった。

来季も有観客で開催できる保証はなく、フィリーズがリアルミュートとの再契約に使える予算は依然として不透明だ。ただし、幸いにも積極的にリアルミュート獲得に動いているチームはなく、フィリーズが限られた予算のなかでリアルミュートと再契約できる可能性は残されている。ジョージ・スプリンガー、トレバー・バウアー、DJ・レメイヒュー、マーセル・オズーナなど、他の大物選手にも動きがない状態が続いており、フィリーズの最優先事項が決着するまでにはもう少し時間がかかりそうだ。

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