田上市長「核なき世界へステップの年に」 1月23日「核禁条約発効」記念イベント 長崎、広島、東京 オンラインで結ぶ

 長崎市の田上富久市長は28日、来年1月22日の核兵器禁止条約発効に合わせ、翌23日に東京と被爆地長崎、広島の会場をオンラインで結び、核廃絶について考える記念イベント「核なき世界へスタート!」を開くと発表した。このうち、長崎会場では田上市長とジャパネットたかた創業者の高田明氏が平和問題をテーマに対談する。3会場とも無観客で撮影し、一般向けにオンラインで配信する。
 定例会見で概要を発表した田上市長は、来年の同条約発効などに触れ「核なき世界へステップの年になる」と期待を込めた。
 長崎会場は、同条約の批准などを各国に訴え、「ヒバクシャ国際署名」活動に取り組んできた県民の会が主催、同市共催。長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の中村桂子准教授が司会を務め、田上市長と高田氏が平和問題への関心の裾野をどう広げるかについて対談する。
 東京からは、事前に収録した中満泉国連事務次長、非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のフィン事務局長、カナダ在住の被爆者サーロー節子さんのメッセージ動画を紹介する。広島会場では被爆者と若者が核廃絶への思いを語り、子どもたちが合唱を披露する。
 イベントではそれぞれのプログラムをオンラインで順次、配信。最後に3会場の関係者が感想を語り合う。オンラインの視聴方法は今後、市のホームページで発表する。
 発効当日の22日も各地で催しなどがあり、長崎では県民の会が平和祈念像前で集いを開く予定。田中重光共同代表は「被爆者たちが望んできた核廃絶への一歩が始まる日。多くの人に関心を持ってほしい」としている。

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