【新型コロナ】箱根「キャンセル7割」のホテルも GoTo停止で観光地悲鳴

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例年に比べ客足は半分以下という箱根湯本駅前の商店街=29日午後、箱根町

 政府の観光支援事業「GoToトラベル」が全国一斉にストップし、神奈川県内の観光地からも落胆と不安の声が聞こえてきた。ホテルや旅館は予約のキャンセルが相次ぎ、日帰り観光スポットにも波及。「かき入れ時なのに」「年明けも期待できない」─。29日は混雑が見られたものの、年末年始を直撃した新型コロナウイルス「第3波」の影響が広がっている。

 「とにかく家族でゆっくり過ごしたい。コロナ禍でばたばたした1年だったから」。藤沢市に住む男性会社員(41)は、妻と長男(3)と箱根町内の温泉ホテルに向かった。例年なら大阪府内の実家で正月を過ごすが、1人暮らしする80代の母の感染を心配して帰省を諦めた。GoToの一時停止で自粛ムードも漂うが、せめて近場で、と宿を取ったという。

 しかし観光や飲食業界への影響は大きい。同町内のあるホテルでは、停止発表後に年末年始の予約の約7割がキャンセルに。「国の補塡(ほてん)は宿泊者のキャンセル料だけで、こちらがキャンセルした食材や清掃業務費の穴埋めはない」と苦しい一面をのぞかせる。

 箱根登山鉄道強羅駅前の土産物店「中村屋」は、28日までは地域共通クーポンの利用客でにぎわった。だが一時停止で客足の減少が懸念され、「かき入れ時だけに売り上げへの影響は大きい」と男性社長(64)。それでも「箱根で年末年始を過ごしてくれる観光客がいる。店を閉めるわけにはいかない」と前を向く。箱根湯本駅前の商店街でも観光客は例年の半分以下といい、土産物店の男性店長(35)は「今は我慢のしどころ」と話した。