コロナ禍の初詣、分散参拝を 密対策で沖縄の寺社手探り

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中で迎える新年。例年、初詣客でごった返す県内各地の寺社も今回は「密」を避けるため、分散参拝を推奨している。境内が狭くても参拝客に「間隔を詰めて」と促すわけにいかず、距離を取るため足元に印を付けたり、祈願の人数を制限したりと対策は手探りだ。三が日に人出が集中しすぎないよう、旧正月の2月12日ごろまでの間に、頃合いをみての参拝を呼び掛けている。

 正月三が日で例年25万~30万人の参拝客がある那覇市の波上宮。これまで三が日は元日午前0時からお守りやお札、縁起物の授与所を24時間開けてきたが、今回は午前7時~午後6時に短縮する。屋台も出さない。

 テレビやラジオのCMを通じて分散参拝を呼び掛けており、境内にライブカメラを設置しホームページ上で混み具合が分かるようにする。神職の大山晋吾さんは「三が日はできるだけ自宅で、神棚があるならそこで手を合わせてもらい、旧正月までの間に密を避けてお越しを」と語った。

 宜野湾市の普天満宮も、例年であれば、大みそかの夜から開けっ放しにするお札やお守りの授与所の時間を変更。12月31日午後11時から1月1日午後11時までは夜通しで対応し、2、3の両日は午前7時~午後11時に制限する。縁起物は、三が日を避けて「早めに欲しい」との要望もあり、26日から並べている。例年10万人の参拝客があるが、今回は初詣を前倒しして参拝する人の姿もある。

 26万人が三が日に訪れる那覇市の県護国神社は、間隔を空けて並んでもらうよう足元に目印のテープを貼った。例年より3倍の大きさとなる幅15メートルの賽銭(さいせん)箱を設置し、コロナ禍で参拝をためらう人がいることも踏まえ、お札やお守りを自宅に届ける「郵送祈願」を初めて受け付けている。

 各地で祈願の人数を制限する動きも出ている。中城村の成田山福泉寺では祈願は一度に200人規模で対応してきたが、新年は20人程度ずつに区切る。三が日で20万人が足を運んでおり、担当者は「毎年、間隔を詰めてとアナウンスしてきたが、今回は十分な距離を取ってもらわないといけない」と話した。(當山幸都)

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