「阪神・青柳くんは僕に似ている」OB・川尻哲郎氏が託すメジャー行きの夢

阪神・青柳(左)と現役時代の川尻氏

阪神・青柳晃洋投手(27)は今季、7勝9敗でシーズンをフィニッシュ。目標としていた2桁勝利にこそ届かなかったが、先発ローテの座を1年間守り通し、2年連続で規定投球回数に到達。「(プロは)3年続けて一流と言われてますし、来年も頑張りたい」と更なる成長へ意欲を燃やしている。

そんな青柳に同じサイドスロー右腕として〝熱視線〟を送っているのが、阪神OBの川尻哲郎氏(51)。1996年にはチーム最多の13勝を挙げ、98年5月26日の中日戦では、矢野監督とともにバッテリーを組みノーヒットノーランを達成した名投手だ。

「青柳くんのことは入団当時から注目してきた。サイドスロー投手はほとんど救援に回されてしまう時代ですが、先発投手として活躍する彼は今や少数派。シンカー系のボールを駆使してゴロアウトを量産するスタイルは、確かに僕と似ているところが多い」と自身の系譜を受け継ぐ後輩の出現を喜び「青柳くんは腕の振りが非常にいい。同じ振りでストレートも変化球も投げてくるので、打者としてはとても打ちづらい。低めに制球を集める技術も持ち合わせている。今後の課題としては緩い変化球を習得して緩急を効果的に使えば…。さらに投球の幅が広がる」とアドバイスを送った。

川尻氏は98年に日本代表として日米野球に出場。メジャーリーガーたちを相手に9回途中を無失点に封じる快投を披露し、一躍米球界からも注目を浴びた。現役当時には強いメジャー移籍願望があったが、実現することはなし。それだけに最後には「青柳君が代表やメジャーで活躍する姿、見てみたい。自分と同タイプの投手である彼のシンカーやスライダーが、世界を相手にどれだけ通用するか見てみたい」と自身のかなえられなかった夢まで託した。これだけ期待されたら青柳も勇気百倍か。

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