佐々木朗のデビューに注目、2軍で打率.344の韋駄天も…ロッテの21年ブレーク候補は?

ロッテ・佐藤都志也、佐々木朗希、高部瑛斗(左から)【写真:荒川祐史】

佐々木朗の1年目は実戦登板なし、“雨男”古谷は奪三振率が大幅アップ

2020年シーズン終盤までソフトバンクと優勝を争ったものの、惜しくも2位に終わったロッテ。リーグ最少の失策、与四球と堅実な野球で接戦を制してきた一方、個人成績で圧倒的な数字を残した選手はいなかった。新型コロナウイルスの集団感染などの不運もあり、最後は自力の差を見せつけられた。

しかし、2018年ドラフト1位の藤原や2017年ドラフト1位の安田が台頭するなど、育成は着実に実を結んでいる。1974年以来となるリーグ1位での優勝と、2010年以来の日本一を目指す2021年シーズン。井口資仁監督にとっての3年目に、ブレークが期待される若手を取り上げたい。

○佐々木朗希投手(2年目・19歳)
高校生最速の163キロをマークし、その一挙手一投足に注目が集まった“令和の怪物”が4球団競合の末に入団。1年目の今季は、3月24日のシート打撃で157キロを投じるなど才能の片鱗を見せたが、1、2軍を通じて実戦登板はなかった。来季は謎に包まれたベールをいつ脱ぐのかに注目が集まる。

○古谷拓郎投手(3年目・20歳)
千葉県鎌ケ谷市出身で習志野高ではエースナンバーを背負った地元期待の星。2018年ドラフト6位で入団すると、1年目から2軍で13試合に登板して6勝4敗、防御率5.04の成績を残した。さらに今季は2軍で7試合に登板して2勝2敗、防御率2.97と急成長。奪三振率4.86→7.78と大きく飛躍した。1軍デビューも果たしたがプロ初登板が3度も雨天中止となり話題となった。

本前は奪三振武器に支配下目指す、高部はイースタン2位の打率.344

○本前郁也投手(2年目・23歳)
北翔大から育成1位指名を受け、同大学初のプロ野球選手となった。今季は育成での1年目ながら、2軍で11試合に登板して2勝0敗、防御率2.56と好投。特に、9月11日のヤクルト戦では6回で10三振を奪うなど、38回2/3イニングで38奪三振と奪三振能力の高さは目を引いた。みやざきフェニックス・リーグでも149キロをマークするなど急成長中で支配下登録も近そうだ。

○佐藤都志也捕手(2年目・23歳)
東洋大では東都リーグで4度ベストナインに輝き、大学日本代表の常連にもなった好打者。大学時代は一塁手や外野手も務めたが、プロでは捕手一本に絞ると、今季のオープン戦では楽天・則本昂から一発を放って周囲を驚かせた。1年目は60試合で打率.228だったが代打だけでみると.310。来季は捕手としても結果を残して、正捕手・田村を脅かしたい。

○高部瑛斗外野手(2年目・23歳)
国士舘大では東都2部歴代最多となる通算129安打を記録した安打製造機。2019年ドラフト3位で指名されたが、2月の練習試合でいきなり右手有鈎骨を骨折。開幕2軍となったがイースタンでは打率2位となる.344をマークした。10月には新型コロナ集団感染を受けて1軍昇格、初ヒットも放ったがレギュラー陣の復帰に伴い抹消。今季は熾烈な外野手争いに割って入りたい。

○山口航輝外野手(3年目・20歳)
明桜高では高校通算25本塁打を放った未来の大砲候補。2年目の今季は2軍で70試合に出場して、打率.258、7本塁打をマークした。まだまだ粗削りだが、豪快なフルスイングと圧倒的な飛距離にはロマンを感じる。高校時代には金足農・吉田輝星(現日本ハム)とライバルとしてしのぎを削った。1軍の舞台でも名勝負に期待したい。(Full-Count編集部)

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